住宅ローン変動金利のメリットとデメリット、おすすめの人

住宅ローンを契約する際は、資金計画についてよく考えなくてはなりません。毎月の返済金額のことを考えると、頭を抱えたくなることもあるでしょう。

また、変動金利か固定金利を選ぶかなども、考えなくてはならない大きなポイントになります。

こちらの記事では、住宅ローンの金利の中でも、「変動金利」について詳しく解説します。変動金利は、他の金利とは少し異なった仕組みです。金利を選ぶ前に、まずは変動金利がどんなものなのかを理解して、メリットやデメリットなどについても把握しておきましょう。

変動金利とは?

変動金利とは、返済期間中の世の中の金利水準によって金利が変動するタイプのものです。金利が低い間でしたら毎月の支払額も安くなりますが、金利が上昇してしまうと支払額はその分だけ増えるようになります。

固定金利に比べると金利が低いことで注目されがちですが、色々と分かりにくい部分もあります。単に金利が低いだけを理由に選ばないようにして、納得した上で決めるようにしましょう。

変動金利の特徴

変動金利とは、金利が変動する金利タイプのもので、金融機関(銀行)が優良企業に対して貸し出す「短期プライムレート」という金利に連動させることが多く、半年に4月と10月の年2回に見直されるのが一般的です。

金利の見直しそのものは半年に1回行われますが、金利が変動しても毎月の返済額は借り入れ当初から5年間は変わりません。ルールとしては、6年目に変わるようになっています。

6年目になって毎月の返済額が変わるときに、それまでに毎月払ってきた返済額の最大1.25倍までを上限として、返済額が変動します。

そこで、「毎月の返済額は1.25倍以上にはならない」という上限があるのだから、6年目の見直しの際に返済額が増えても安心だと思う方もいるかもしれません。

しかし、これはあくまでも毎月の返済額に上限があるだけであって、金利そのものには上限がありません。つまり、毎月の返済額には上限があるものの、金利が上がり続けることがあれば、総返済額は上限なしに増えてしまいます。

また、毎月の返済額は利息が先に引かれ、残金の中から元金が引かれるという決まりもあります。金利が上がっているのに返済額が上がらないというのは、元金の減りが遅くなる可能性があります。そこに「未払利息」が発生してしまうという注意点もあるので、覚えておきましょう。

未払利息とは?

未払利息について理解していない方もいると思うので、ここでわかりやすく解説します。

例として挙げると、変動金利を選んだ際に、借り入れ当初の返済額が、毎月10万円(元金4万円・利息6万円)だったとします。そこで、半年に1度金利見直しの際に金利が上がり、4年後には利息だけで返済額が12万円になったとします。

しかし、ルール上では5年間は返済額が変わりません。12万円-10万円を引いた差額の2万円が未払利息となって残ることになります。

発生した未払い利息がどうなるのかについてですが、返済額に対する金利が一定の間に下がれば、金利が下がったぶんだけの利息はなくなります。ただし、6年目の返済額が変わるときに未払利息が残っていると、元本に未払利息が追加されて返済額が再計算されるのです。

また、未払いの元金と利息を、最終返済日まで持ちこしてしまった場合も注意が必要です。そうなると、最終返済日に一括返済するのがルールとなっていますから、こちらも一緒に覚えておきましょう。

今後金利が上がることはあるのか?

未払い利息の項目では、金利が大きく上昇することを例として挙げています。そこまで極端な上昇はないにしても、今後の可能性としてどうなるのかは気になるところです。

なお、バブルの絶頂期とされる平成初期には、変動金利が8.5%にも達したことがあります。また、昭和62年から平成2年の4年間の中では、金利が3.6%も上昇したこともありました。

その後、バブルは崩壊し、これまでに多少の変動を繰り返すことはあるものの、金利は低めの状況をキープしています。東日本大震災の復興であったり、消費税の増税を予定していたりなどの景気が良いとは言えない中で、バブル絶頂期のような金利上昇はあるのかは気になるところです。

もしも変動金利の金利上昇があるのでしたら、そのときの日本国内の景気も上昇傾向にあるはずです。実際に手にする給与なども、増えていることも考えられます。

変動金利を選ぶ際には、日本国内の経済状況をよくチェックした上で総合的に判断できる力も必要になります。その点についても、覚えておきましょう。

メリットとデメリット

これまで変動金利の特徴を解説してきましたが、ここからはメリットとデメリットについて解説してきます。

特徴と被るケースもありますが、メリットとデメリットとして分かりやすくまとめましたので、参考にしてもらえたらと思います。

変動金利のメリット

では、まずメリットから解説します。変動金利のメリットは下記のことが挙げられます。

金利が低めに設定されている

変動金利の最も大きなメリットとして挙げられるのが、固定金利と比べて金利が低めに設定されていることです。金利が低い間は、毎月の返済額を低く済ませることができますし、支払う利息の負担も少なく済ませることもできます。

金利が下がることで返済ペースが早くなる

変動金利は金利が変動することによって、金利が下がる場合があります。金利が下がり毎月の返済額が変わらなければ、利息の返済分が少なく、元金の返済分が大きくなります。そのことによって、返済のペースも早く進んでいくことになります。

毎月の返済金額がたてやすい

変動金利では、住宅ローンの毎月の返済額は5年間は変化しません。よって、5年間の返済計画をあらかじめ立てておくことができます。

変動金利のデメリット

続いては、変動金利のデメリットです。

金利が上がることによる返済額の負担

変動金利は金利が変動することによって、金利が上がる場合があります。金利が上がれば、それだけ利息の負担分が増えてしまいます。

5年ルールが適用される場合ですと、毎月の返済額がすぐに増えることはないかもしれません。しかし、5年に1度行われる見直しの際に、返済額が大きく増えてしまう可能性も高くなります。

毎月の返済額や返済総額が確定しない

金利が変動することが特徴の変動金利では、借り入れ当初に総返済額が確定しません。毎月の返済額は5年ルールによって、最初の5年間のみが確定します。

6年目以降ですが、1.25倍ルールによる上限は分かるものの、どれだけの金額になるのかは不透明です。よって、毎月の返済計画が上手くたてられない、急な出費に対応しにくいということも考えられます。

元金が減らないこともある

5年ルールや1.25倍ルールですが、実は借りる側にとってはリスクも伴うものです。変動金利の適用金利が上がっても、毎月の返済金額が5年間変わらないままでは、金利上昇による利息返済分が増えます。よって、毎月の返済額の多くを利息分へと充当しなくてはならないのです。

そこで、元金の返済分が少なくなり、借入残高は減らない一方となります。元金が減らないことで、次回の見直しの際に返済金額が増えてしまう場合もあります。

5年ルールは毎月の返済額が急に増えないこともあり、良い面があると思うかもしれません。ですが、改めて考えてみると問題点を先送りしていることにもなっています。

未払い利息が発生することもある

毎月の返済額ですが、利息の返済に充てられるのが一般的です。すでに発生している未払い利息に充てるのか、毎月に発生する利息分に充てるのか、これをどう取り扱うのかの規定は、各金融機関によって異なってきます。

いずれにせよ、毎月の返済額が利息の返済に足りていない場合、払えなかった利息分が翌月以降に繰りこされることになるのは確かです。

変動金利がおすすめできる方

最後に、固定金利と比較して毎月の返済額をおさえることができる変動金利が、おすすめできる方についてまとめてみました。

  1. 数十年単位の長期間ではなく、10年前後の短期間でのローン返済を考えている
  2. リスク管理などについて詳しい方
  3. 金利の変動や情勢をチェックするのが日常にあり、苦ではない方

短期間で返済が可能であれば、金利上昇による返済額負担のリスクは小さくなるでしょう。よって、変動金利のメリットを最大限に受けることができます。

その他にも、しっかりと家計の管理ができていたり、経済状況などに興味があったりすることも挙げられます。金利の変動などやリスクについて把握できる感覚さえあれば、変動金利は有効なものになると言えるでしょう。

変動金利の特徴、利用するにあたってのメリット・デメリットなどについて解説しました。金利が低めに設定されていることが、変動金利の最大の魅力です。上手に利用して、毎月の支払額をおさえられるようにしていきましょう。

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