住宅ローンの契約をすることで、特典や優遇が受けられることをご存知でしょうか。買い物をする際の割引サービスや、金融機関の各種手数料などの割引、その他にも特典はさまざまです。
特典を上手く活用することで、家計の節約につながる場合もあるため、住宅ローンを検討する際には、どんな特典があるのかをチェックして比較することも重要です。
そこで今回は、充実した特典を受けることができる住宅ローンや、比較するポイントなどについてご紹介します。
各金融機関の住宅ローンの特典内容を比較
住宅ローンの特典ですが、利用する金融機関によって内容が異なります。特典を上手に、かつ賢く利用するためには、内容をしっかりと把握する必要があります。
まず、各金融機関の特典にどんなものがあるのかを見てみましょう。
イオン銀行住宅ローン
低金利の住宅ローンを提供しているイオン銀行では、住宅ローンの契約者の特典として「イオングループでのお買い物が毎日5%オフ」が付帯します。年間で割引の上限は設定されているものの、実店舗とオンラインショップのどちらでも適用となります。
食料品に医療費、日用品の購入などで毎月8万円ほど使用すれば割引額は4,000円となり、これが1年間になると計48,000円にもなるのです。イオングループでのお買い物が多かったり、近くにあって利用しやすいという方には魅力的な特典です。
楽天銀行・フラット35
楽天銀行でフラット35を契約して、返済先の口座に楽天銀行を指定すると、融資事務手数料が優遇される特典が付帯します。
楽天銀行の融資事務手数料は、通常時でも借入額×1.404%(税込)となり、これは他のフラット35を取り扱う金融機関と比較しても、低い水準に設定されています。
しかし、特典を利用することで、その水準を圧倒する、借入額×1.08%(税込)にまで低下するのです。たとえば、3,000円万円の融資を受ける場合、融資事務手数料が借入額×1.404%(税込)ですと421,200円となります。
これが1.08%になることで、3,000万円×1.08=324,000円(税込)となり、97,200円ほどの差額が出ます。
住宅ローンは金利だけではなく、融資事務手数料も高額となりますから、その上で総支払額を考慮してみることも重要です。そこで、フラット35の利用を検討しているのでしたら、楽天銀行のフラット35は選択肢のひとつとして良いでしょう。
「ハッピープログラム」の利用ができる
楽天銀行に口座を開設することで、お客様優遇プログラムとなる「ハッピープログラム」の特典を受けることができます。
- 楽天スーパーポイントの獲得倍率が最大3倍
- ATM手数料が毎月最大7回まで無料
- 振込手数料が毎月最大3回まで無料
これらの特典の他、住宅ローンを契約することで、ハッピープログラムのステージランクが無条件で1ランクアップします。
新生銀行住宅ローン
新生銀行のパワースマート住宅ローンの付帯サービスとなる「安心パック」は、将来に備えた「コントロール返済」と、「安心団信保障」がセットになっています。
この安心パックに、さらに「安心パックW(ダブル)」を加えることで、生活のサポートとなる病児保育に家事代行サービス・ハウスクリーニングなどが利用できるクーポンをもらうことができます。(回数・地域の限定あり)
なお、安心パックW(ダブル)ですが、2014年日経優秀製品・サービス賞 最優秀賞を受賞しています。加入条件は以下になります。
- パワースマート住宅ローンのお申し込み条件を満たしていること
- 借り入れ金額が1,500万円以上
- 借り入れ期間が25年以上
- サービス提供会社が対応している地域に住んでいること
- 団体信用介護保障保険への加入資格があること
安心パックWへ加入する場合は、事務手数料として162,000円ほどかかりますが、働きながら育児をする家庭にとっては有難いサービスと言えるでしょう。
Tポイントプログラム特典
新生銀行で住宅ローンを契約した場合、返済をしながらTポイントを毎月1,000ポイント受け取れます。
借入金額は2,000万円以上で、借入期間は20年以上、銀行所定の金利タイプを選んで、ボーナス払いはなしなどの条件はありますが、受け取りは10年間にわたって継続されます。
1,000ポイントが120回で計120,000ポイントとなりますが、途中で繰り上げ返済などを行った場合は、以降のポイントは受けとれないので注意が必要です。
ANAマイル特典
新生銀行で1,000万円以上の住宅ローンを新規で借り入れた場合、ANAマイルがもれなく10,000マイルプレゼントされます。
三菱UFJ銀行住宅ローン
三菱UFJ銀行で住宅ローンを契約した場合、「スーパー普通預金(メインバンクプラス)」利用の際に、以下の特典が付帯します。ATMを利用する機会が多い方や、振込手数料の節約をしたい方には活用できる特典と言えるでしょう。
- 全国の三菱UFJ銀行のATM手数料が利用回数に制限なく無料
- 提携先コンビニATM利用料が月3回まで無料
- 三菱UFJダイレクト」を利用する際に、他行宛の振込手数料が月3回まで無料
また、住宅ローンの契約者が女性の場合、出産予定・直後の顧客の金利優遇の特典があります。契約者本人により、出産前6か月から出産後6か月以内に申し出ることで、以降1年間は適用金利がさらに年0.2%優遇されます。
その他にも、あらかじめ設定された利用期間内にかぎり、提携企業による特典を利用できます。 ※借入れ金額1,000万円以上、借入れ期間10年以上の住宅ローンを新規で借り入れた場合
- 家電購入特典:株式会社ビックカメラ、株式会社コジマ
- 引越し特典:アートコーポレーション株式会社(アート引越センター)
- ホームセキュリティ特典:セコム株式会社、ALSOK綜合警備保障、株式会社全日警(いずれかの中から1社のみ)
- (女性限定)海外旅行・国内旅行特典:株式会社JTBコーポレートセールス
その他の特典・優遇サービスの種類
前項で紹介した特典・優遇以外にも、さまざまなものがあります。
- 金利タイプがいつでも変更可能
- 疾病保障、介護保障などの団信プラスαの保障が無料付帯
- 地震保険、傷害保険などの保障が無料付帯など
最近の住宅ローンは低金利競争が激化しています。そこで金利を引き下げすぎてしまえば、各金融機関の利益の面に影響が出てしまいます。その代わりとして、「金利の引き下げだけでなく、特典や優遇面を考慮する」という金融機関が増えてきています。
総返済額で比較して、特典の価値を評価する
特典や優遇の内容が充実していても、住宅ローンの総返済額が大きくて毎月の負担になってしまうのでしたら意味はありません。
やはり、重要視するのは総返済額や毎月の負担の部分ですから、特典や優遇については、あくまでも「付帯するメリット」程度に受け止めておくのが良いでしょう。
そこで、住宅ローンを比較する場合ですが、まずは金利や諸費用から総返済額を算出します。
その上で、各金融機関で用意された特典や優遇について、その価値を自身で評価して、さまざまなことを考慮した上で総合的に判断しましょう。
自分が得する特典を選ぼう
ここまで特典などについて解説してきましたが、どの住宅ローンの特典や優遇が良いのかと言われても、受け止め方には個人差があります。
たとえば、イオン銀行の住宅ローンの特典で、「イオングループでのお買い物が毎日5%オフ」がありますが、近くにイオングループの店舗がなかったり、オンラインショップでも買い物をしなかったりする場合は、特典を受けることすらできません。
ポイントやマイルについても、所持していなかったり、今後も所持する予定がなければ意味がありません。
よって、総返済額をおさえることができるなどの理由では、この住宅ローンが良いとは言えても、この特典や優遇があるからこの住宅ローンが良いと言うのは、人それですので、その特典で自分が本当に得をするのか考えてから申し込みましょう。
まとめ
各金融機関で提供する住宅ローンの特典や優遇、実際に決めるにあたってのポイントについて解説しました。
住宅ローンを契約する際の特典や優遇は、なかなか目につかない部分かもしれませんが、もしかしたら普段の生活にメリットとなる特典があるかもしれません。
もし継続的にポイントが貯まるのであれば、実質的に「住宅ローンの支払いや利息が減る」と考えることもできます。
住宅ローンを選ぶ時は、総返済額や金利が重要視されますが、どんな特典や優遇があるのかも一緒にチェックして、それぞれの家庭に適した住宅ローンを選びましょう