「住宅ローン金利がさらに低下」
「借り換えるなら〇〇銀行へ」
何年にもわたって住宅ローンを返済し続けたものの、こんな記事が目に入ればなんとなく気になりますよね。
ただ、手続きの煩雑さや審査という壁の存在を考えると、ついつい二の足を踏んでしまう気持ちになるのも理解できます。
ここでは、住宅ローンの借り換えの手続きをわかりやすく解説していきますので、最後までしっかりと目を通してください。
- 【目次】住宅ローン借り換え手続きの流れと必要書類
借り換えする際の流れ
まずはじめに、住宅ローンを借り換える際の流れを解説します。
- 借り換えを申し込む金融機関の選定
- 借り換え先の金融機関に申し込んで審査を受ける
- 現在借り入れをしている金融機関に完済の意思を伝える
- 借り換え先で新規の住宅ローン契約をする
- 実行された融資金で現在の金融機関に返済をする
借り換えを申し込む金融機関の選定
住宅ローンを借り換えるわけですから、金利が低くなることは最低条件でしょう。ただ、金利だけで金融機関を選定するのは得策とは言えません。
若いころは健常だったのに、50歳を超えるころから血圧がかなり高い値になって心配と感じているとしましょう。この場合で心配なのは健康問題。ローンを途中で払えなくなったらどうしようという不安に駆られるのではないでしょうか。
もし私がこのような健康問題を抱えている中で住宅ローンを借り換えるとすれば、健康を崩したときに住宅ローン残高が0円になるような銀行はないかと思うでしょう。
もしくは、この先50万円、100万円といった単位のお金を都度繰り上げ返済していく予定があるならば、繰り上げ返済時の手数料が無料の金融機関を探すべきです。
このように、まずは銀行の特徴を徹底的に調べてください。思いのほかの違いに驚くことでしょう。このように調べたうえで3行くらいを上限にピックアップしてみましょう。
借り換え先の金融機関に申し込んで審査を受ける
このようにして狙いを定めた銀行が決まれば、あとは必要書類を提出して審査を受けましょう。これは新規の住宅ローンと同じように、事前審査を受けたのちに本審査に入るという流れになります。
現在借り入れをしている金融機関に完済の意思を伝える
借り換えをするわけですから、今までお世話になった銀行には完済する旨を申し出なくてはなりません。問題なのは、申し出るタイミングです。
絶対に押さえなくてはならないポイントは、借り換えの融資が確実になった段階まで待つことです。先走って返済意思を伝えたのちに融資が却下されてしまうと、困るのはあなた自身となります。
この場合は当然のことながら、今まで通りの返済をその銀行で続けていくことになるのですが、何となく気まずくなってしまうのに加えて、有利な返済条件を求めて申し出をしたときにうまく話が運ばないと考えるべきです。
借り換え先で新規の住宅ローン契約をする
新たな銀行から融資の確約を取れたら、その銀行と金銭消費貸借契約(金消契約と省略することが多い)を結ぶことになります。金消契約を結ぶことは、お金を貸しますよという約束を交わすことを意味します。
この契約では、土地や建物を担保に取る必要があります。これに絡んで抵当権設定契約なども一緒に結ぶことになりますので、金消契約には司法書士の立ち合いが必要になることも覚えておきましょう。
実行された融資金で現在の金融機関に返済をする
新しい銀行で融資が実行されます。実行されたらそのお金を以前の銀行に返済しなくてはなりません。ここまで無事に完了すれば借り換えの手続きは完了したことになります。
こうしてステップを整理するとさほど難しいことではありません。次の項目では、借り換えに必要な書類について解説します。
借り換え手続きでの必要書類と提出時期
借り換えるにはどうしても多くの書類が必要になるのは仕方がありません。また、その書類の中には、自分で役所に行って手に入れるものあれば、金融機関から入手するものもあります。
もう一つ押さえておきたいのは、書類提出のタイミングでしょう。多くの書類が必要ですが、それらを同じタイミングで提出するわけではありません。事前審査時に必要なものもあれば、その後の金消契約時に必要なものもあります。
金融機関側から見れば、申込者にお金を貸しても大丈夫かを審査するための資料と言えます。漏れのないように用意しましょう。
- 収入証明書(所得証明書)
- 勤続年数を証明する書類
- 住宅ローン対象となる物件に関する書類
- 本人を確認する書類
- 現在利用している住宅ローンに関する書類
- 健康診断書
- 印鑑証明書
借入申込書
まず初めに住宅ローンの借入申込書が必要です。これは、選択した金融機関から取り寄せてください。そして、この申込書と一緒に次のような書類を合わせて申請をします。
収入証明書(所得証明書)
住宅ローンの借り入れをするわけですから、この書類がもっとも基本的なものになるでしょう。サラリーマンのように会社に勤務している方であれば、源泉徴収票、給与証明書などを会社からもらってください。
また、自営業の方であれば、確定申告書の写しや納税証明書などの書類が必要です。
勤続年数を証明する書類
銀行が気にするのは勤務先です。住宅ローンを組んだ当時は勤続年数10年だったとしましょう。しかし、借り換え申請をした時にも同じ会社に勤務しているとは限りません。もし転職をした場合であれば、その会社に勤務して何年経ったのかを銀行は確認します。
住宅ローン対象となる物件に関する書類
これも絶対に必要な書類です。融資を実行する不動産の担保価値があるかを見なくてはいけません。下記のような書類のコピーで大丈夫です。
- 売買契約書
- 火災保険証
- 重要事項説明書
- 請負契約書
本人を確認する書類
本人確認書類も必要です。
- 運転免許証
- パスポート
- 住民基本台帳カード
- 健康保険証
現在利用している住宅ローンに関する書類
新しく住宅ローンを組んで、その融資金で現在の住宅ローンを完済しなくてはなりませんので、当然必要な書類となってきます。
健康診断書
団信信用生命保険に加入する場合には健康であることが絶対的な条件となるので、健康診断書の提出を要求されます。
印鑑証明書
金融機関によっては印鑑証明書などの書類提出を求められることもあります。それと注意してほしいのが、フラット35を利用する場合においてある一定の技術基準に達しているかどうかを証明する必要があります。
ローン契約時に必要となる必要書類
今度はローンを実際に締結するときに必要な書類を見ていきましょう。
- 金銭消費貸借契約書、抵当権設定契約書
- 権利証
- 印鑑証明書、住民票
- 実印
- 印紙
- 団体信用生命保険の申込書兼告知書
金銭消費貸借契約書、抵当権設定契約書
借り換え契約をするためには絶対に必要な書類です。これらは金融機関が用意してくれますので、とくに動く必要はありません。契約時に捺印や署名をすればいいだけです。
権利証
融資の際には融資対象物件に抵当権設定登記をしなくてはなりませんが、その時に権利証が必要となってきます。
印鑑証明書、住民票
印鑑証明書は契約証に一通、登記手続きのために一通必要です。保証会社分としてもう一通必要かもしれませんので、三通取っておくとよいでしょう。住民票も家族全員のものを二通取っておけば万全です。
実印
契約書すべてにおいて必要になってきます。シャチハタは使用できないので注意しましょう。
印紙
金消契約を結ぶときに貼付しなくてはなりません。
団体信用生命保険の申込書兼告知書
民間の銀行では団体生命保険に加入する必要があるので提出する必要がありますが、フラット35では必要ありません。
借り換えの流れと必要書類をまとめてみましたが、こうして整理すると、さほど難しくもややこしいものでないことがわかります。あなたも今後の金融情勢の変化を見極めて意思決定をしてください。