住宅ローンを借りる際の手数料や諸費用の目安はいくら?

住宅ローンを借りる際の手数料や諸費用の目安はいくら?

「この展示場をそのまま建てるといくらですか?」

この質問は、住宅展示場に足を運ぶお客さんが、営業マンに尋ねる上位項目に入る質問項目です。もし、あなたが同じように住宅展示場に訪問すれば、きっと同じような問いかけをするのではないでしょうか。

しかし、それに対する返答内容はあくまで「住宅本体価格」であって、その金額だけで住宅を購入することはできません。住宅購入に際しては様々な手数料や諸費用が掛かります。

ここでは、目に見えにくい住宅取得に際する諸費用の中から、住宅ローンを組む時に必要となる諸経費や手数料について解説します。家を買う方にとって、とても大事な内容なのでしっかりと覚えておきましょう。

住宅ローンを借りる際の手数料や諸費用

住宅ローンを借りる際には、借り入れ後に発生する利息以外のお金が必要です。すべての諸経費を合計すると一般的には50万円~80万円くらいが必要になります。

契約書に貼付する収入印紙や、保証会社の保証料というお金も見逃せません。これも、数万円では収まらない金額になります。さらには団体生命信用保険というものも存在し、それに対する経費も発生します。

しかし、家やマンションを購入するケース、リフォームや注文住宅を建てるケースでは若干金額が異なります。

家やマンションを購入するケース

どのような形態の不動産を買っても同じですが、契約書に貼付する印紙代は必要です。本体価格によって変化はしますが、ほとんどの人は20,000円ですむはずです。

印紙代は大きな金額ではないので安心ですが、戸建て住宅やマンションなどを購入する際に不動産業者を挟むと、仲介手数料が必要となります。

土地や建物を不動産業者に仲介してもらった場合、【物件価格(税抜き)×3%+6万円+消費税】という計算になるので、100万円を簡単に超えてしまう場合もあります。

住宅ローンに関する部分に話を戻しますが、3,000万円程度を30年ローン借り入れると仮定すると、抵当権設定費用や融資手数料などを合計して、60万円を超える金額となります。

リフォームや注文住宅を建てるケース

安価なリフォームであれば手持ちの現金でまかなえても、水回りなど配管が絡むような工事となると、300万円~500万円くらいは見なくてはいけません。こうなると、なかなか現金一括で支払うのは難しくなるので、その際はリフォームローンも検討することになるでしょう。

リフォームローンの手数料は、住宅ローンと大きく変わることはありませんが、返済年数が短いのと、借入金額の上限が低く設定されているケースが多いことには注意してください。

つなぎ融資の利息がかかる

そして、忘れてならないのが「つなぎ融資」の存在です。読んで字のごとく、実際に住宅ローンが実行されるまでの短期間をつなぐための融資です。

建売住宅を購入したりマンションを購入するケースでは発生しないのですが、新築の注文住宅を購入したり、土地も含めて購入する場合には「つなぎ融資」が必要になる場合があります。

たとえば、2,000万円の土地を購入。その上に3,000万円の建物を建築するとして、頭金を500万円だけ準備し、残りの4,500万円をローンで支払うことにします。

しかし建築業者は、建築途中にも他の業者への支払いが発生するため、上棟金という名目で1000万円程度の入金を要求してきます。しかし、頭金として500万円を払ったので手元に現金がありません。そこで登場するのが「つなぎ融資」です。

1,000万円をつなぎ融資で借り入れたと仮定して、上棟時に融資実行され2か月後に本融資が実行された場合、1,000万円の融資に対して2か月の利息がかかります。

わかりやすく金利3%とすると、「1,000万円×3%÷6=5万円」で、5万円の利息となります。納得いかないかもしれませんが、この5万円というのはどうしても必要になるお金です。

手数料と諸費用一覧

ここからは、手数料について解説します。予想外の出費とならないよう、しっかりと頭に入れておきましょう。

印紙税

印紙税は、契約金額によって変動します。契約金額が500万円超1,000万円以下の場合は10,000円。1,000万円超5,000万円以下の場合は20,000円になります。

保証会社事務取扱手数料

32,400円(りそな銀行)と定額のケースもありますが、ネット銀行などでは借入額に応じて変動する商品もあります。

抵当権設定費用に伴う費用

原則は「借入額×0.4%」です。ただし、一定の基準を満たすことによって「借入額×0.1%」まで軽減されます。軽減される条件は以下のとおりです。

  • 抵当権の対象となるマイホームの新築であること
  • 抵当権の対象となるマイホーム取得のための借り入れであること
  • 登記簿に記載される床面積が50㎡以上であること
  • 新築後1年以内に入居すること

この4つの条件ですが、ほとんどの方はこれに該当するはずです。たとえば、5,000万円の住宅を購入すると「5,000万円×0.4%=20万円」となるところ、「5,000万円×0.1%=5万円」となり15万円も軽減されます。

保証料(一括前払い型)

一括前払い型の住宅ローン保証料は、借り入れの金額と年数によって変わってきます。2,000万円を30年で借り入れた場合の保証料は382,740円。3000万円を20年で借り入れた場合は、445,020円になります。

保証料(金利上乗せ型)

金利上乗せ型の保証料は、住宅ローンに合わせる形で毎月返済していきます。ただし、この分に関しての利率は、住宅ローン金利に0.2%を上乗せされたものとなります。

融資手数料

融資手数料は、借入金額の2.16%です。注意していただきたいのは、将来的に借入金額の繰り上げ返済を行った場合でもこの手数料は返済されないことです。

まとめ

住宅ローンを組む際の手数料や諸費用について解説してきました。「こんなにかかるんだ」、「思ったより安かった」など様々な感想があると思います。

しかし、どんな金融機関を使っても、ある程度のお金は発生してしまいます。また、マイホーム取得にあたっては、住宅ローンの諸費用だけではなく、登記費用、引っ越し費用、水道の本管引き込み代など目に見えない諸費用が掛かってきますので、契約前には余裕を持った資金計画を建てることをおすすめします。