政府のマイナス金利政策の影響を受け、ここ数年の金融機関の貸出金利は過去に例を見ない低金利となっています。それもあって近年は住宅ローン借り換えを検討する人が急増しています。
しかし、住宅ローン借り換えは金利が安ければ必ずメリットが出るというものではありません。住宅ローンを組んだ際に必要となった手数料や諸費用が、そっくりそのまま再度必要になってきます。
よって、住宅ローン借り換えは低金利によって生まれる支払利息の軽減額だけでなく、手数料と費用を含めたトータルコストで比較する必要があります。そこで今回は住宅ローン借り換えで必要となる手数料や諸費用の相場について詳しく解説していきます。
- 【目次】住宅ローン借り換えの際の手数料や費用は?
借り換えでかかる手数料や諸費用
住宅ローン借り換えで金利とともにポイントとなってくるのが、契約時に必要となる手数料と諸費用です。基本的には下記のバランスとなれば、現状よりも支払額の軽減が実現できている状態なので、借り換えメリットは生まれていると考えていいでしょう。
金利差によって生まれる支払軽減額 > 手数料と諸費用の合計額
しかし、この差が数万円であれば、面倒な借り換えを行うほどのメリットがあるとは言えません。よって。メリットの高い借り換えとするには、下記の2点が必要不可欠となってきます。
- できるだけ低金利の住宅ローンを選ぶ
- できるだけ手数料と諸費用が安い住宅ローンを選ぶ
それでは消費用にはあどのようなものがあるのか、いくらくらいなのかを見ていくことにしましょう。
手数料と諸費用一覧
住宅ローン借り換え時には契約手続きにかかる事務手数料の他に、下記のような諸費用が発生します。
- 保証料
- 繰り上げ返済手数料
- 団体信用生命保険料
- 登録免許税
- 印紙代
- 司法書士報酬
- 火災保険料や地震保険料
- 物件検査手数料(フラット35のみ)
事務手数料とこれら諸費用は申し込む金融機関によって大きく違ってくるので、金利とともにしっかりと比較検討する必要があります。それではメガバンク3行を例に挙げながら、事務手数料とこれら諸費用について解説していきましょう。
事務手数料
事務手数料とは借り換え先が指定する保証会社に支払う事務手数料です。この事務手数料は銀行によって本当にバラつきがあり、3万円台~10万円強となっています。みずほ銀行の場合は32,400円ですが、イオン銀行だと108,000円と3倍ほど違っています。
また最近はネット銀行を中心に借入額の2.16%に設定しているところも多く見られます。3,000万円の借り換えでなんと約65万円もの事務手数料が発生するので、一番割高となってくるので注意してください。
保証料
保証料は利用者が返済不能に陥った際にローン残債を銀行に支払い保証する会社で、今では住宅ローン申込時には必須となっています。
近年は保証料無料というところも多くなりましたが、本来は数十万円と高額な費用が必要になる諸費用です。みずほ銀行では現在でも下記のように、高額な費用となっています。
- 借入金額3,000万円、借入期間35年の場合 574,110円~2,296,440円
※内枠方式の場合は金利0.2%の上乗せ
保証会社の審査結果によって保証料が決められるので、審査結果が思わしくなければ最大2,296,440円もの保証料の支払いが必要になるというわけです。審査結果によって高額支払いとならないよう、ここは保証料無料のところを選ぶのが無難でしょう。
繰り上げ返済手数料
住宅ローン借り換えの契約成立時には既存のローン残債を一括返済することになりますが、ここで発生するのが繰り上げ返済手数料です。この手数料は有料と無料のところがありますが、有料の場合は安いところで1万円台後半、高いところで5万円台中盤となっています。
三井住友銀行は5,400円とかなり低額ですが、イオン銀行だと54,000円とかなり高額となってきます。
団体信用生命保険料
借り換えによって借り換え前に加入していた団体信用生命保険は終了となるので、借り換え時に再加入する必要があります。ほとんどの銀行で団体信用生命保険に加入することが申込条件となっているので、任意のフラット35以外は基本的に必要になると考えておきましょう。
この団体信用生命保険も基本保証の「死亡・高度障害」は無料という銀行が大半ですあが、フラット35だけは有料となります。の場合には金利上乗せして支払うのが一般的です。
しかし、銀行の住宅ローンの場合は無料だからと安心せず、どこまでの保障が付いているのかを確認しましょう。基本保障だけのところもあれば、下記のような特約が付いて無料というところもあります。
- がん保障
- 3大疾病保障
- 8大疾病保障
保障幅は広いほど安心できるので、自腹で加入する人も出てくるでしょう。その際の費用を浮かすためにもできるだけ広い保障で無料のところがおすすめとなってきます。
登録免許税
住宅ローンを組む際には不動産に金融機関が抵当権を設定します。借り換えによって以前の借入先の抵当権を抹消し、借り換え先の抵当権を設定することになります。この手続きを行う際にかかる税金が登録免許税です。
抵当権の変更の際にはこの2つの手続きが必要となり、それぞれに登録免許税がかかってきます。
抵当権の抹消 不動産数 × 1,000円
抵当権の設定 借入金額 × 0.4%
抵当権の抹消は大した金額ではありませんが、設定には結構高い費用となります。3,000万円の借り換えの場合には抹消に1,000円と設定に12万円の登録免許税が必要になります。もちろん税金の値引きはなく、実費となってくるのでよく覚えておきましょう。
印紙代
住宅ローンの契約には税金が発生します。その税金は契約書に印紙を貼り付ける形で支払います。印紙税は借入金額によって、下記のとおりに決められています。
- 500万円超~1,000万円以下 1万円
- 1,000万円超~5,000万円以下 2万円
- 5,000万円超~1億円以下 6万円
先ほどの登録免許税のように高額ではありませんが、確実に発生する費用となってきます。
司法書士報酬
先程話した抵当権の抹消と設定は司法書士や行政書士などの専門家に依頼することになります。この際に発生するのが司法書士報酬で、大抵の場合は金融機関が指定したところに依頼することとなり、その一般な相場は8万円くらいです。
探せば3万円から5万円程度のところもありますが、指定されている場合には仕方がないといったところでしょう。
火災保険料や地震保険料
近年の住宅ローンの新規借入は火災保険加入を申込条件としているところ大半です。地震保険となるとさらに条件としているところは少なくなります。しかし、これら2つの保険は申込時に加入しているものがあれば基本的には引継ぎでOKです。
ですが、フラット35のように保障内容に条件をつけている場合にもあるので、しっかりと確認する必要はあります。また借り換えを契機に加入や乗り換えを検討するのもおすすめです。
保険も新しくなっているので、料金が安く保障も厚くなっていることも十分考えられます。ローン支払額を減らすためにも、加入している人は見直しを検討してみるといいかもしれません。
特に最近は火災保険に地震保険が付帯しているものも多くなっています。昨今の地震多発考れば、地震保険の加入は特に検討してもらいたいところですね。
物件検査手数料(フラット35のみ)
フラット35へ借り換えする際には、その住宅が住宅金融支援機構の定める技術基準に適合していることが条件となってきます。その住宅の確認済証が昭和56年6月1日以後の交付であれば「【フラット35】借換対象住宅に関する確認書」の提出でOKです。
しかし確認済証の交付が昭和56年5月31日以前の場合には、適合証明検査機関または適合証明技術者による物件審査を受けて、交付された適合証明書の提出が求められます。この物件審査にかかるのが物件検査手数料です。
この費用はマンションか一戸建て等の物件種類によって違ってきますが、4万円から6万円くらいが一般的な目安となってきます。しかし、昭和56年5月31日以前となれば、ほぼローンは終了間近ですから気にする必要はないでしょう。
保証料が無料(なし)の場合の注意点
最近は特にネット銀行を中心に、下記のように保証料が無料のところが増えてきました。
ソニー銀行
- 取扱手数料 借入金額×2.16%
- 保証料 無料
住信SBIネット銀行
- 取扱手数料 借入金額×2.00%
- 保証料 無料
じぶん銀行
- 取扱手数料 借入金額×2.16%
- 保証料 無料
また先ほど紹介したように事務手数料も3万円台~10万円強と金融機関によってバラつきがあります。このように事務手数料が安いところは保証料が高く、保証料が安いところは事務手数料が高くなっています。
じぶん銀行の場合だと下記のみずほ銀行とトータルコストはほとんど変わりがありません。
- 取扱手数料 32,400円
- 保証料 借入金額×2.06%
事務手数料の安さや保証料無料で気を引いてはいますが、合算すると変わらなかった、高くななるというケースも多く見られます。取扱手数料と保証料は保証会社へ支払うお金で、決して安価な額ではありません。
この2つは基本的には高額な費用となるので、見なければならないのは2つ合わせていくらになるかです。この点はくれぐれも注意しましょう。
まとめ
住宅ローン借り換えとするには、金利だけでなく手数料と諸経費が幾らになるのかがポイントとなってきます。せっかく金利差で支払利息を軽減しても、手数料と諸経費がその額を上回れば支払い金額は以前より増えてしまうので、借り換えする意味すらなくなってしまいます。
できるだけ低金利であることが基本条件ですが、それに加えてできるだけ手数料と諸経費がかからない借り換えが最も理想となってきます。
トータルでどれだけの減額ができるのかが重要です。今回解説した手数料と諸経費についての注意点を忘れず、メリットの高い借り換えを目指しましょう。