ローンの審査に家族(妻)の借金や過去の借金は影響する?

ローンの審査に家族(妻)の借金や過去の借金は影響する?

ローンの審査に家族の借金や過去の借金は影響するかは、ある意味で切実な問題です。とくにそれが住宅ローンの審査となればことは非常に厄介です。

ここでは妻や家族に借金があった場合を想定しながら、様々な借金を抱えるケースを考えてみましょう。

【目次】ローンの審査に家族や過去の借金は影響する?
  1. 家族の借金は影響する?
    1. 両親(父、母)の借金は?
    2. 妻の借金は?
    3. 家族がブラックリストに載っている場合は?
  2. 過去の借金は影響する?
    1. 奨学金は?
    2. 延滞履歴のある借金を完済した場合は?

家族の借金は影響する?

まず手始めに、家族の借金が住宅ローンに影響するか見ていきましょう。

両親(父、母)の借金は?

事情があって両親(父、母)に借金がある場合、子の住宅ローンの審査に影響するでしょうか?

たとえ親に借金があっても、きちんと毎月返済を続けているなら何も問題はありません。

借金が問題になるのは、1)複数の消費者金融から借金している、2)延滞や返済遅延を繰り返しているケースです。あと借金の額が異常に多くなっているケースもありますが、現在の法律では総量規制の関係で、ヤミ金融から借りていなければ、借金の額が異常に膨らむことはかつてより少ないと言えるでしょう。

複数の消費者金融からお金を借りたり、支払延滞や返済遅延を繰り返していると、そうした事実が個人の信用情報に記載されます。

信用情報に延滞情報等が記載されると、あらたにクレジットカードやカードローンを申し込んでもカード自体が作れなくなり、申し込みを拒否されることもあります。

そうなると生活を立て直すことから始めなければなりませんが、仮に両親がこうした多重債務に陥っており、子どもが住宅ローンを借りる場合、審査に影響するかが今回の質問です。

原則親の借金は子の住宅ローンに影響はしない

前置きが長くなりましたので結論を急ぎましょう。今回の場合、親が担保提供者になっていなければ、親の借金が子の住宅ローンの審査に影響することは基本的にありません。

金融機関は子が住宅ローンを借りるのに、住宅の計画に関係していない親の信用情報を勝手に見たりはしないからです。

ただし注意したいのは、親の土地に建っている住宅を建て替え新築するケースです。この場合はたとえ子が主債務者であっても、親は今回の計画の担保提供者として金融機関からみられます。

金融機関は担保提供者の信用情報はチェックしますので、その内容は住宅ローンの審査には影響します。もっとはっきり言うと、今回の住宅ローンの申し込みは両親の借金が原因で否決するでしょう。

このほかにも信用情報がチェックされるのは、連帯保証人や連帯債務者になっている場合です。今回の場合は子は親の借金を心配して相談しているので、その親に連帯保証人や連帯債務者になってもらうことは考えにくいと言えます。

しかし、親の土地に住宅を建てることはよくあることです。親がローンの延滞を繰り返している場合は注意してください。

妻の借金は?

妻の借金の場合も原則的には同じです。

夫の収入だけで住宅ローンが借りられる場合は了諾のもと、夫の信用情報だけを金融機関は見ます。たとえ妻が消費者金融に目一杯借金していたとしても、妻名義の借金がバレることはありません。

また同様に妻が支払延滞や返済遅延を繰り返していたとしても、妻の信用情報は金融機関が見なければバレることはありません。

しかし夫の収入だけでは総合的に不安だと金融機関が判断した場合は、妻を連帯保証人にしたり担保提供者にすることは、実務の場面ではよくあることです。したがって妻の連帯保証人にすること、あるいは担保提供者にすることはよく起こります。

そうなると金融機関は妻の信用情報もチェックしますので、妻の借金や延滞記録が住宅ローンに響くことは十分に起こり得ます。

目立った資産もない妻が担保提供者になれるワケ

しかし、なぜ妻を担保提供者にできるのでしょう? 妻にも収入があれば収入合算や連帯保証人にできるのは分かりますが、先の例のように土地を提供するわけでもないのに、妻を担保提供者にできるのか不思議です。

でもこれには訳があります。たとえば住宅ローンは100%夫名義で借りています。ただし頭金は妻の預金から支出した場合は、建物の持分は妻も持ちます。

この場合、銀行は妻の持分も含めた建物全体を担保にしようと考えます。なぜなら、住宅ローンの返済が滞った場合、建物を夫の持分だけ分割して売却することは不可能だからです。そのため債務者でもない妻の持分も、担保提供することを銀行側は求めます。これは先の土地の担保提供にも言えることですね。

じつは、銀行には担保提供者が連帯保証人になるのを住宅ローンの条件にしているところが結構あります。そのため妻の借金が発覚し、住宅ローンに影響するケースは案外多いのです。

家族がブラックリストに載っている場合は?

家族がブラックリストに載っている場合、住宅ローンの審査に影響するのかが気になる方がいます。

よくブラックリストという言葉が借金の話題では登場します。そもそもブラックリストとはどんなリストのことなのでしょう?

知っている方も多いと思いますが、そもそもブラックリストというものは存在しません。ブラックリストは確かに存在しませんが、この言葉を使うのはほとんどの場合、信用情報機関の意味で使うことが多いようです。つまり「ブラックリストに載る」とは、信用情報機関に延滞情報や金融事故が載ることと同義です。

金融事故とはお金の貸し借りに関連する事故のことで、支払遅延などで契約どおりに返済が行われなかったことを言います。また金融事故は、債務整理全般や自己破産した事実を指す場合もあるようです。債務整理とはかんたんに言うと、契約先に返済額の減額等を申し入れること。もちろん何の場合も住宅ローン審査にマイナスに響きます。

信用情報を閲覧できるのは原則ローン申込人に限られる

ただし家族がブラックリストに載っている場合でも、信用情報を閲覧できるのは原則ローン申込人に限られます。つまり家族が住宅ローンの連帯保証人や連帯債務者、あるいは担保提供者でなければ信用情報を閲覧することは原則できません。

しかし妻や家族のうちの誰かが、連帯保証人の場合や連帯債務者として住宅ローンを組んでいる場合は、主債務者同様、信用情報をチェックしなければなりません。また担保提供をしている場合も同様に信用情報を見られます。

このときもしも家族がブラックリストに載っている場合(信用情報機関に延滞情報や金融事故が登録済みの場合)は、残念ですが住宅ローンに影響することは間違いありません。

負の情報を共有しておくことも大事

家族がブラックリストに載っていることが分かっている場合は、極力ご主人が単独で住宅ローンを借りることでしょう。そのためには、借入額を少なくするため、計画自体を縮小する場合も出てくるでしょう。新築マンションを希望していたのを中古に変えるといったこともあるでしょう。

それ以前に住宅を計画する場合は、今まで秘密にしていた負の情報を共有しておくことも大事です。家族間で多少の軋轢は起きるでしょうが、それをバネに変えられるかは家族次第です。

また親の借金は相続の問題も絡んできます。あらためて親族でよく話し合ってみることも必要でしょう。

過去の借金は影響する?

次は過去の借金が住宅ローンに影響するのか見ていきましょう。

過去の借金として忘れがちなものとして、奨学金が存在しています。まずはその奨学金から見ていくことにします。

奨学金は?

今では多くの学生が利用していると言われる奨学金。この奨学金も延滞すると、クレジットカードやキャッシングと同じように延滞した事実が信用情報機関に登録されるのは知っているでしょうか?

ただし登録されるのは、現在(2017年11月)は学生援護会(JASSO)の奨学金のみで、登録機関はKSC(全国銀行個人信用情報センター「全銀協」)です。その他の奨学金を借りている方は支払が遅れても信用情報機関に登録されません。もちろん返すべきお金が遅れている場合は、たとえ学生援護会(JASSO)の奨学金でなくても減額・猶予申請を申し出るなど、前向きな対応が望まれることは言うまでもありません。

また学生援護会でも減額・猶予申請はできます。延滞が減額・支払猶予程度でおさまるのなら、ぜひこの制度を活用するべきです。

なお延滞情報が信用情報機関に記録されるのは連続3か月の滞納です(返還開始直後の方は「6か月経過時点で3か月以上の延滞」となります)。信用情報機関に登録されるまでに期間がありますから、返済の都合がつかない場合は学生援護会に連絡を入れてまず相談してみましょう。

延滞情報が登録されると、そのほかの延滞同様、返済中はもちろん、たとえ延滞分を完済しても、それ以降5年間は継続して登録されます。

無論、KSCは住宅ローンの審査にも関係してくる重要な信用情報機関です。奨学金を学生援護会で借りている方は呉々も注意してください。

延滞履歴のある借金を完済した場合は?

よく信用情報機関に事故情報が登録されると、何年事故情報が登録されるかが話題になることがあります。
たとえば延滞履歴のある借金を完済した場合は、どのような扱いになるのでしょうか。

返済や完済に関する情報は完済から5年間残ると言われています。つまり延滞履歴のある借金を完済した場合でも、延滞した分を完済してから5年間は消えません。なお延滞情報が情報機関に登録されるのは2か月から3か月の滞納です。

たまに返済をはじめてから5年間と勘違いする方もいるようです。しかし、きちんと延滞が解消されなければ完済したとは見なしません。この点は正しく理解しておく必要があります。

なお、信用情報機関はシー・アイ・シー(CIC)、日本信用情報機構(JICC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3機関がありますが、延滞情報や金融事故情報は3つの信用情報機関で共有されています。

とくに銀行の住宅ローン審査では、慎重な審査が行われていますから、見落とされる情報はないと考えた方が良いでしょう。

影響はないと言われるものでも、蓋を開けると家族の借金が住宅ローンに影響することは意外に多いことが分かります。これを機会に家族の借金について見直すことも必要でしょう。

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