離婚での住宅ローン問題は誰に相談すればいい?

離婚での住宅ローン問題は誰に相談すればいい?

マイホーム購入時には、ほとんどの人が住宅ローンを組むことになるはずです。一般的なのはご主人が単独で組むことですが、ローン金額に対して収入が足りない場合は奥様の収入を合算して組むケースもよく見かけます。

しかし、住宅ローンを完済する前に、不幸にして離婚に至った場合、住宅ローンの取り扱いはどうなるのでしょうか? 

離婚での住宅ローン問題の相談相手

離婚という言葉から思い浮かべるのは弁護士かもしれません。もちろん弁護士の先生も相談先の一つですが、行政書士、離婚カウンセラー、FP(ファイナンスプランナー)といった人達も相談に乗ってくれます。

今から20年も前にさかのぼると、こういった人たちと接触するのも一苦労だったかもしれませんが、今はインターネットを通じて容易に情報を得ることができるようになりました。

ここでは、相談相手の違いによる費用を比べながら、その違いを見ていきましょう。まず初めは弁護士の先生に相談する場合です。

弁護士に相談する場合の費用

弁護士に支払う費用ですが、単純に相談をするだけならば5,000円~10,000円くらいで大丈夫です。相談時間も厳密に決まっているわけではありませんが、おおむね1時間程度だと考えてください。

ただ、これは単純な相談のみの場合です。電話をして、「離婚をするのですが、主人名義で組んでいる住宅ローンの扱いについてご相談したい」と話せば、おそらくこのくらいの金額を提示されるはずです。しかし、住宅ローンを収入合算で組んでいる場合などは、話がもう少し複雑になってきます。

30年ローンを夫婦で組んだものの、返済期間を10年残したところで離婚するとします。この場合ですが、残債をあと10年間にわたって、どちらがどれだけ払うかを決めなくてはなりません。

このような取り決めを弁護士に依頼して解決してもらうことになると、着手金や成功報酬が発生します。着手金や成功報酬はここで一概にいくらとは言えないのですが、このような費用が掛かることだけは頭の片隅にでも入れておきましょう。

行政書士に相談する場合の費用

行政書士の仕事は

  • 書類作成業務
  • 代理業務
  • 相談業務

と大きく3つに分かれています。一般的には書類作成業務が大多数を占めているのですが、相談業務も守備範囲とお考え下さい。

今回のテーマである「離婚での住宅ローンの相談相手」にも、もちろんなってくれるのですが、問題は費用の面です。弁護士の場合は5,000円~10,000円と前段で書きましたが、行政書士の場合もそれに準ずる程度と思えばほぼ間違いないでしょう。

ただ、弁護士も同じですが、初回相談は無料と謳う行政書士の先生も増えてきた感がありますので、ホームページで調べたうえで必ず電話で料金体系を確認してください。

行政書士という仕事は、弁護士と比較すると普段は耳にする機会のない職業だと感じます。似たような名称に司法書士がありますが、こちらは一戸建てなどの不動産を購入した経験のある方ならば、購入時にお世話になった人が多いと思います。

所有権設定登記、所有権移転登記、抵当権設定登記などは、司法書士が担当する仕事だからです。

そう考えると、行政書士は日常では接点がなく、テレビなどでも弁護士がコメンテーターを務めることはあっても、行政書士がその類で出演することはあまりありません。

そういうこともあり、なかなか相談相手として思いつきにくい存在なのが行政書士ですが、離婚時の住宅ローンなどの相談には問題なく乗ってくれますので、検討する価値は十分にあります。

離婚カウンセラーに相談する場合の費用

知人、友人に離婚カウンセラーがいるという方はまずいないのではないでしょうか。弁護士などとは違い士業ではありませんし、公的に認められた職業でもありません。

弁護士や行政書士などは仕事の内容によっては報酬が決められているものも少なくありませんが、離婚カウンセラーの相談料には幅があるとお答えするしかないでしょう。

特に、テレビ出演が多く顔を知られた離婚カウンセラーになると、料金体系はどうしても高めになります。

名前と写真を見れば、「あ、どこかで見たことがある」という女性カウンセラーの場合は、先生ご本人が2時間面談をすると50,000円という料金を設定しています。

それに対して、無名かつ若年の場合は1時間当たり5,000円程度でというケースもあるようです。いずれにしても、ホームページで探すのが一般的な探し方だと思いますが、離婚カウンセラーには弁護士、行政書士、ファイナンシャルプランナーにはないメリットもあります。

他の3つと比べると、明らかなのは離婚ということに特化していることでしょう。もちろん弁護士も離婚問題は多数扱うわけですが、他の一般事件も担当しているはずです。

それに比べると離婚カウンセラーは離婚問題に特化しているので、離婚時の住宅ローン問題事例を豊富に知っているケースが考えられます。

ファイナンシャルプランナーに相談する場合の費用

これまでに上げた3つと比べると、ファイナンシャルと名前がついているだけに、お金にまつわる話には強いと思われます。生命保険や銀行というとすぐに思い浮かぶ職種ですし、住宅ローンを組んだ時に相談した方もいるかもしれません。

ただ、街中を歩いていても、ファイナンシャルプランナー事務所を探すのは困難なのでネット検索をお勧めします。その前に、まずファイナンシャルプランナーについて少し解説をしましょう。

ファイナンシャルプランナーは、弁護士、行政書士、離婚カウンセラーと異なり1級、2級、3級があります。1級はなかなか難しいのですが、3級はさほど難しいものではありません。ホームページで相談相手となるファイナンシャルプランナーを探す際の参考にしていただければと思います。

ただ、3級だからダメというわけではなく、離婚に際しての住宅ローンに関する知見があるかどうかの確認が重要ということです。

離婚時における住宅ローンの問題をファイナンシャルプランナーに相談した場合の相談料の目安ですが、公に決められているわけではありませんので、各ファイナンシャルプランナーによってその相談料は違ってきます。

ここでは、日本ファイナンシャルプランナー協会が独自に調査した資料があるので、それをご紹介したいと思います。

1時間当たりの相談料の調査結果
  • 5000円未満・・・25%
  • 5000円~10000円未満・・・41%
  • 10000円~20000円未満・・・28%
  • 20000円以上・・・2%

この調査結果から考えると、おおよそ5,000円~10,000円の予算を見ておけば、1時間程度の相談を受けることができるでしょう。

離婚という人生の難問に直面した時に発生する問題は数多くあるわけですが、完済していない住宅ローンの扱いをどのようにするかは切実な問題です。

このようなことを相談するには、やはり資格を持っていたり、同じようなケースを取り扱ったことのある専門家に相談をするのが、最善の策と言えるでしょう。

今回は弁護士、行政書士、ファイナンシャルプランナー、離婚カウンセラーという4つ専門分野をご紹介しましたが、どこに足を運んでも相談だけであればさほど費用は掛かりませんので、まずは気楽に相談してみましょう。