提携ローンとプロパー(非提携)ローンの違い

提携ローンとプロパー(非提携)ローンの違い

提携ローンとはかんたんに言ってしまうと、銀行と売主(この場合の売主とは不動産会社。または建築会社)が提携し、住宅や不動産を取得するためのローンを買主(この場合の買主とは一般顧客のこと)に斡旋する仕組みです。

ここでは提携ローンと、非提携(プロパー)ローンの違い、をそれぞれ解説していきます。

提携ローンとは

あらめて提携ローンとは、おもに不動産会社や建築会社(ハウスメーカー)が銀行と提携し、ローンを少しでも有利に使ってもらう仕組みです。

なお提携ローンは不動産会社にとってよりなじみのあるローンです。提携ローンが誕生したのは不動産会社が開発業務を進めるため、多額の資金を必要としたのが始まりだからです。

開発した分譲地に建売住宅を建築し販売を掛けるにも多額の資金を必要としますから、銀行との深い関わりがなければ当初の目的を達成することは不可能です。そんなところから、銀行と不動産会社とのつながりは始まったわけです。

ただし銀行にとっても相応のメリットがなければ協力はできません。この場合は、不動産会社が販売する土地・建物の購入者に住宅ローンを斡旋することで、住宅ローンの顧客を獲得できます。銀行にとっても、不動産会社との提携は十分美味しい話です。

このような両者にメリットが生じるところから提携ローンはスタートしていきました。ハウスメーカーでも不動産部門があり販売力があるところでは、不動産会社のように分譲地を開発し建売住宅を販売しています。提携ローンは不動産会社だけでなく、一部のハウスメーカーにも広がったのはそのためです。

ハウスメーカーの提携ローンのメリットとデメリット

物事にはすべからくメリット・デメリットが存在します。提携ローンも同じです。提携ローンとはおもに不動産会社や有力なハウスメーカーが金融機関と提携して住宅ローンを斡旋する仕組みで、お互いにメリットがありますが、かならずしも提携ローンがユーザー(買主)にとって有利だとは限りません。

ここですでに提携ローンのデメリットを挙げてしまいましたが、それでは提携ローンのメリット・デメリットについてみていくことにしましょう。

メリット

以下に提携ローンのメリットをまとめています。

融資判断に掛かる時間が短くなる

提携ローンのメリットは、何より融資判断にそれほど時間が掛からないということがあります。審査手続きが無駄なく早いということが、提携ローンを選ぶ理由の上位に来るようです。
ただし銀行の審査ですから、審査の中身は厳しく行われます。そのため追加資料の提出の判断も早めに行われます。

融資以外の附帯部分にメリットがある場合が多い(火災保険など)

提携ローンの融資条件は非提携ローンと大差はないのですが、附帯部分にメリットがある場合が多いと言えます。その代表と言えるのが火災保険です。
提携ローンでローン契約すると、割安な保険料で住宅の火災保険に加入できる場合があります。

融資特約がきく

融資特約(ローン特約とも言われる)とは、買主が融資の承認を得られなかった場合に、買主は売買契約を無条件で解除できるという特約のこと。提携ローンには融資特約が無条件につくのが普通です。

では融資特約がつかないとどうなるかですが、一般的に手付金が戻らなくなります。

ただ、一応提携ローンを使っていても融資特約がきくかどうか確かめておいたほうが無難です。現在の売買契約では、提携ローンでなくても売主側から融資特約をつけると言われることが比較的多くなっているからです。

残金決済が土日でも可

残金決済とは売買契約時の最終段階で売主と買主、そして担当の司法書士が揃って銀行に出向き、残金を納める手続きのことを言います。
残金決済の当日は、銀行から買主の口座に住宅ローンが実行され、買主は売主に残代金を振込で支払います。

これに立ち会った司法書士もまっすぐ法務局に向かい、所有権移転登記と抵当権設定登記を行います。
このため残金決済は金融機関の営業日を優先し、土日を避けて行われるのが一般的です。

ところが提携ローンは、銀行から不動産会社の口座に直接住宅ローンが実行されるため、平日以外の土日などでも物件の引き渡し日を自由に設定できます。
残金決済が土日でも自由に設定できることは、提携ローンのメリットのひとつでしょう。

デメリット

続いて提携ローンのデメリットです。

買主にとって必ずしも有利なローンではない場合がある

少なくとも現在、提携ローンは必ずしも買主にとって有利なローンとは言えなくなりつつあります。なぜなら、金融機関も非提携ローンを有利な条件で特定の顧客以外にも売り出さなければならないからです。

事務手数料が余計に掛かる場合がある

全てではありませんが、提携ローンにすると費用が余計に掛かる場合があります。これも提携ローンのデメリットのひとつと言えましょう。

不動産会社主導で話が進められる

提携ローンを使った場合、良くも悪くも、不動産会社主導で話が進められる面が確かにあります。
もしそれが気に入らなければ、非提携ローンを中心に住宅ローンを選ぶことになります。
本当にイヤなのかどうか、冷静に考えてみましょう。

プロパー(非提携)ローンとは

プロパー(非提携)ローンとは、別名プライベートローンとも呼ばれ、提携ローンではないという意味ですが、およそ二つ意味合いを持っています。
ふたつの違った意味合いとはいったいどういうことでしょう。

プロパーローンの2つの意味

ひとつが、「非提携ローン」ということですから提携ローン以外の「ほぼ全ての住宅ローン」という意味です。

つまり、不動産会社やハウスメーカーから斡旋されず、インターネットなどを活用し、自分の意思で選んだ住宅ローンがプロパーローンです。

そしてもうひとつが、狭義の非提携ローンということ。狭義ということは、不動産用語としてのプロパーローンです。

提携ローンもそうですが、プロパーローンというのは不動産用語のひとつです。非提携ローンの本来の意味は、住宅などの不動産を購入する人が、直接金融機関から受ける融資のことを言います。

プロパーローンのメリットとデメリット

「ほぼ全ての住宅ローン」であり、「不動産用語のひとつ」でもあるプロパーローンのメリット・デメリットをみていきましょう。

メリット

まずはプロパー(非提携)ローンのメリットからみていきましょう。

非提携ローンのほうが有利なローンを選べる

非提携ローンは提携ローン以外の全てのローンということですから、提携ローンより有利な条件の融資は探せばすぐ見つかります。

面倒なら提携ローンでも十分だと思いますが、この先長く返す予定のものですから時間を掛けて検討しても良いのではないでしょうか。

銀行との打ち合わせから不動産会社やハウスメーカーの営業を排除できる

提携ローンはどうしても不動産会社やハウスメーカー主導で銀行との打ち合わせなども進んでいきます。もしそれが気に入らなければ、非提携ローンのほうがおすすめです。

非提携ローンでも審査スピードは意外に早い

提携ローンの良さは融資審査や手続きがスピーディーな点がメリットだと言われます。しかしネット銀行などでは、審査や手続きの早さに関しては負けていません。非提携ローンは、審査スピードは意外に早いのです。

余計なコストが掛からない

非提携ローンは提携ローンにありがちな事務手数料などは、いっさい掛かりません。すべて手数料は標準的なものに集約されます。

デメリット

さいごに非提携ローンのデメリットをみていきましょう。

融資特約がきかない場合がある

非提携ローンは、はじめから融資特約がきかない場合があります。
非提携ローンを使う前に、融資特約がきくかどうか確かめてみましょう。

残金決済は平日に限定される

提携ローンのところでも書きましたが、非提携ローンの場合、不動産の残金決済は平日に限定されるのが普通です。

ただ、残金決済による外出は、ほとんどの勤務先で認めてくれるはずです。勤務先の近くの支店なら、1時間から2時間程で済んでしまいます。上司に前もって話しをしておけば問題にはならないでしょう。

まとめ

提携ローンとプロパーローンの違いについて解説しました。なお提携ローンを引き合いに出すことで、営業担当者の対応の拙さを指摘される方もいるようです。

たとえば営業担当者に言うことを聞いて、担当者の勤務する会社と金融機関が提携するローンに申し込んだが、自分たちにとって有利な条件の金融機関がほかにあるにもかかわらず、営業担当者の云うままにローンを契約して失敗だったというようなケースも見かけます。

しかし彼ら営業マンの資金計画書の中身はもっと緻密なものです。それに、営業で競合会社に勝とうと思ったら、まず自分たちが勧める物件の良さを顧客に伝えなければいけません。融資先の検討は物件やプランが決まり、自分たちを選んでくれた後でも遅くはありません。

提携ローンが良いから、業者を決める顧客はまずいません。不動産会社もハウスメーカーも、まず物件ありきなのです。提携ローン・プロパーローンのメリットとデメリットを参考に、自分の理想の家を手に入れましょう。

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