※この記事の内容は平成29年11月現在の情報です。
住宅ローンを検討している際は、それぞれの銀行を比較することが大切です。しっかりと特徴やメリットを把握しておき、自分に最適な住宅ローンプランを見つけてみましょう。
そこで、今回はJAバンク(農協)の住宅ローンを解説します。各JAバンクによって金利やプランは異なりますが、ここでは共通する点や基本項目についてまとめてみました。
審査基準やJAバンクの住宅ローンを利用した人の口コミも調べてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
- 【目次】JAバンクの住宅ローン
JAバンク(農協)について
JAバンクは、農協および関連企業で構成される金融機関です。本来はJAバンクの正組合員である農業従事者を対象にしているのですが、最近では給与所得者などのいわゆるサラリーマン層でも利用できるようになりました。
主な業務として、預金取引や事業資金の融資などを行っています。これらも農業従事者向けになっており、いわば運転資金のサポートの意味合いが強くなります。
各JA機関は独立採算制になっているのですが、JAバンクに関しては各JA機関で連動した事業展開を行っています。そのため、JAバンク全体では、民間最大級の金融機関と言えるでしょう。
住宅ローンの特徴
JAバンクの住宅ローンは、様々な特徴があります。各JAによってプランの詳細は異なりますが、基本的な部分は共通しています。
そこで、JAバンクの住宅ローンの特徴をまとめてみました。
- 正組合員は金利優遇あり!
- 金利タイプの基本は3種類
- 9大疾病保障で万が一に備えられる
- 環境配慮型住宅の取得で特典が受けられる
- 各JAの店頭で住宅ローン相談ができる!
農業従事者は金利優遇あり!
JAバンクの住宅ローンは、正組合員である農業従事者に金利優遇があります。各地のJAによって金利優遇の内容は異なるのですが、様々なプランで軽減利率が適用されるため金利負担を抑えられます。
注意点としては、軽減利率の適用には正会員以外にも条件があることです。例えば、公的年金の振込口座をJAに指定していることなどですが、日常的にJAバンクを使用していれば問題ありません。
それぞれのJAによって金利優遇の内容は異なりますので、詳しくは最寄りのJAで相談してみましょう。
金利タイプの基本は3種類
JAバンクの住宅ローンは「変動金利型」「固定金利選択型」「固定金利型」の3種類が基本です。それぞれ特徴が変わってきますので、住宅ローンを借り入れる前に内容を把握しておきましょう。
変動金利型
JAバンクの変動金利型は、金利動向に合わせた返済プランが組めます。3種類のプランの中では最も金利が低く、現在の低金利基調を上手に活用したい人に向いています。
金利の見直しは年に2回で、金利が再設定されます。なお、返済額の見直しは5年ごとで、この際には1.25倍ルールが適用されます。1.25倍ルールとは、金利の高騰が起きた際でも、返済額が当初の1.25倍に収まる救済策のことです。
現在の低金利相場であれば返済額の圧縮に繋がりますので、変動金利型で低金利の恩恵を活かしてみると良いでしょう。
固定金利選択型
固定金利選択型は、設定した特約期間内は固定金利となるプランです。特約期間は「3・5・10年」が基本で、借り入れ当初に大きな金利引き下げを受けられることが特徴です。
特約期間が終了した後は変動金利型に移行しますが、再度特約期間を設定することができます。そのため、特約期間終了後の再設定については、その時点の金利動向をしっかりと見極める必要があります。
特約期間の長さによって借り入れ時の金利も変わってきますので、申し込みの際にじっくりと相談して最適なプラニングを考えておきましょう。
固定金利型
固定金利型は、借り入れ時から完済まで金利が一定のプランです。そのため、借り入れた時点でトータルの返済額と返済期間が確定します。
つまり、金利が下がった時の恩恵を受けられない反面、金利が上がってしまった時のリスクもありません。3種類のプランの中では最も安定していますので、金利の影響をなるべく抑えたい人におすすめです。
9大疾病保障で万が一に備えられる
JAバンクの住宅ローンでは、通常の団体信用生命保険に9大疾病保障を追加できます。保障内容は所定の条件を満たした際に、住宅ローン残高が0円になります。
保障条件については、がんなら診断された時点、急性心筋梗塞と脳卒中は診断から60日以上の労働制限が生じた時点、その他6大疾病は就業不能状態が365日以上続いた時点、となっています。
また、「がん・急性心筋梗塞・脳卒中」をカバーできる3大疾病保障もあります。保障内容は9大疾病保障と同じですので、それほど広い保障範囲が必要ない人におすすめです。
ただし、各JAによって追加できる疾病保障は異なります。もし、万が一の事態に備えられる保障が必要であれば、住宅ローン申し込みの際に問い合わせておきましょう。
環境配慮型住宅の取得で特典が受けられる
JAバンクでは、環境配慮型住宅の取得で住宅ローンを組んだ際に、様々な特典が用意されています。各JAによって特典は異なりますが、主に実施されているのは環境配慮型住宅に対する助成金交付制度です。
助成金の交付額は住宅ローンの借り入れ額によって異なり、最大で20万円が交付されます。ただし、借り入れ期間が10年以上という条件もあるため、ある程度の借り入れ額で申し込んだ人以外は交付を受けるのが難しいでしょう。
また、JAによっては新エコ割として交付金ではなく、金利の引き下げを行っているところもあります。新エコ割は新築だけではなく増改築でも適用されますので、リフォーム資金を借り入れた人も対象になります。
それぞれのJAで環境配慮型住宅の特典は異なりますので、申し込みの際に詳細を確認しておきましょう。
各JAの店頭で住宅ローン相談ができる!
JAバンクは全国各地に店舗があるため、店頭で住宅ローンの相談ができます。そのため、担当者とじっくり住宅ローンについて相談したい人におすすめです。
また、各JAでは定期的にローン相談会を実施しています。日程は各店舗ごと毎月1回のペースですが、土日開催の店舗が多いため平日は仕事の人でも便利に相談会へ参加できます。
ローン相談会はWEB予約ができますので、スムーズに相談するためにも事前の予約を済ませておくと良いでしょう。
住宅ローンの審査について
JAバンクは住宅ローンを契約する際に審査基準を満たす必要があります。そのため、申し込みの際には基準に達しているかどうか、あらかじめ確認しておきましょう。
そこで、JAバンクの住宅ローンの利用条件は以下のとおりです。
- 満20歳以上~66歳未満、完済時年齢満80歳未満
- 前年度200万円以上の年収及び所得
- 勤続年数3年以上
- 団体信用生命保険に加入できる
- 日本国籍もしくは永住権を持っている
これらが、大まかなJAバンクの住宅ローンの利用条件です。
注意点としては、正組合員(農業従事者)と准組合員(農業従事者以外)で、利用条件が異なることです。例えば、年収については正組合員であれば150万円がボーダーラインになります。
また、各JAによって利用条件の細部が変わってきます。年収や勤続年数に関する条件も異なりますので、詳しくは最寄りのJAで相談してみましょう。
JAバンク(農協)の住宅ローンの審査期間はどれくらい?
JAバンクの住宅ローンは審査に日数がかかります。あらかじめ審査の流れを把握しておくと、契約までのスケジュールが組みやすくなるでしょう。
そこで、JAバンクの住宅ローンの審査期間についてまとめてみました。
- 事前審査(仮審査)の結果まで:3~7日程度
- 本審査の結果まで:10~21日程度
まず、事前審査に関しては数日~1週間程度で回答が得られます。他の銀行と同水準ですので、それほど審査期間が長くは感じないでしょう。
また、本審査は2週間前後が目安になります。JAバンクの混雑状況によっては3週間以上かかる可能性もありますので、申し込みから契約までは1ヶ月~1ヶ月半ほどを見込んでおくと良いでしょう。
審査申し込み時に必要な書類は?
JAバンクの住宅ローンの申し込みには、様々な書類が必要になります。審査を受ける前にきちんと準備しておき、スムーズに審査へ進めるようにしておきましょう。
そこで、JAバンクの住宅ローンに必要な書類は以下になります。
- 本人確認資料(運転免許証、パスポート、健康保険証など)
- 所得証明書類(源泉徴収票、住民税決定通知書、所得証明書、納税証明書など)
- 物件資料(不動産売買契約書、重要事項説明書、工事見積書、登記簿謄本など)
注意点としては、農業従事者や自営業者は3年分の所得証明書類が必要になることです。発行先が税務署になる書類もあるため、申し込みの前に用意しておきましょう。
また、物件資料についても、事前に準備が必要な書類がいくつか含まれています。取得する物件によって必要書類が変わってくるため、もし不明点があれば店頭相談で確認しておいてください。
おすすめな人と注意点
JAバンクの住宅ローンがおすすめな人を解説します。JAバンクのメリットを上手に活かすためにも、自分のニーズとマッチしているか確認してみてください。
また、JAバンクの住宅ローンに関する注意点も調べてみました。実際に申し込む前に目を通しておき、他の銀行と比較する材料にしてみましょう。
JAバンク(農協)がおすすめな人
下記の項目が当てはまる人は、JAバンクの住宅ローンがおすすめです。JAバンクの特徴も踏まえて、自分に合ったプランかどうか確かめておきましょう。
- シンプルな金利プランから住宅ローンを選びたい人
- 9大疾病保障で万が一の事態に備えたい人
- 店頭でしっかり相談してから住宅ローンを申し込みたい人
- JAバンクの正組合員の人
JAバンク(農協)の住宅ローンの注意点
JAバンクの住宅ローンの注意点として挙げられるのは、正組合員以外は優遇される点が少ないことです。最近では正組合員である農業従事者は減少傾向にあり、特に首都圏ではほとんどの人が正組合員には当てはまりません。
つまり、JAバンクで多くのメリットが得られる正組合員以外の人は、JAバンクの住宅ローンを選ぶ必要性が少ないのです。
もし、正組合員以外でJAバンクの住宅ローンを利用したい場合は、出資金を支払って准組合員になる必要があります。出資金は各JAによって異なりますが、相場としては1万円前後です。それほど大きな出費ではありませんが、余分な費用を投じてまでJAバンクを利用するメリットはありません。
また、審査に関しても正組合員が優遇されるため、農業従事者以外の人は審査面に関してもメリットが薄くなります。JAバンクは一般的な銀行と比較して審査に通過しやすいと言われていますが、これは正組合員に限った場合です。したがって、正組合員以外の人は審査においても他の銀行並みの条件になりますので、JAバンクを選ぶ決め手にはならないでしょう。
JAバンク(農協)の住宅ローンの評判と口コミ
JAバンクの住宅ローンを実際に利用した人の口コミを集めてみました。これからJAバンクの住宅ローンに申し込む予定があるなら、ぜひ参考にしてみてください。
良い評価の口コミ
●JAバンクの正組合員なので、お得な金利で住宅ローンが組めた。両親との同居などいろいろ条件はあったが、割と大きな金利引き下げが受けられたので満足している。
●ローン相談会に参加しましたが、担当の人は親切でこちらの希望をしっかりと聞いてくれました。提案してくれたプランの内容も希望どおりだったので、JAバンクでお世話になることにしました。
●いろいろと迷いましたが、店舗で相談できる安心感からJAバンクを選びました。金利も他銀行と大差ありませんし、それなりに十分なレベルだと思います。
中立的な口コミ
●正組合員ならメリットは大きいが、普通のサラリーマンにとっては恩恵が少ない。どうしてもJAバンクを優先する理由になるほど優遇面が大きいわけでもないし、サラリーマンなら他の銀行で十分だと思った。
●ローン相談会が土日開催なのは、完全に農家を対象にしている感じがする。自分は土日に仕事をしているので、なかなか相談できる機会がなくて困っている。
●地方の人はともかく、都心の人はJAバンクを利用する機会が無いのでは?サラリーマンでも准組合員になれるけど、お金を払ってまで加盟するのは無駄に感じます。
低評価の口コミ
●それなりに低金利のプランが多いけど、ほとんどは農家が対象になっていて一般の人は理いようする機会が無さそう。金利引き下げの条件も少し厳しい印象で、会社勤めの人は他の銀行の方が良いと思う。
●環境配慮型住宅交付金の条件が厳しすぎる。農家の人でも全部の条件を満たしている人は少なそうだし、有名無実の特典になっている気がする。
●はっきり言って一般のサラリーマンには不向きな住宅ローン。これほど色んな条件が求められるなら、一般の銀行で申し込む方がよっぽど楽だし得だと思う。
住宅ローンのおすすめの銀行
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