20代、30代、40代で住宅ローンを組む際の注意点

20代、30代、40代で住宅ローンを組む際の注意点

住宅の購入を考えるのは人によってタイミングはそれぞれだと思います。転勤が多い方であれば、転勤が落ち着くまでは中々マイホームを購入することはできないでしょうし、公務員の方は特に転勤等もなく安定した収入があるので比較的住宅を購入するのが早いイメージがあります。

また、住宅を購入する際にはほとんどの方が住宅ローンを利用することになると思います。人それぞれライフプランが違いますので住宅ローンを組むタイミングもそれぞれ違ってくると思います。

では、20代で住宅ローンを組む場合や30代で住宅ローンを組む、40代で住宅ローンを組む場合では何か注意点があるのでしょうか?今回はそれぞれの場合について見ていきたいと思います。

【目次】20代、30代、40代で住宅ローンを組む際の注意点
  1. 年代別住宅ローンを組む際の注意点
    1. 20代で住宅ローンを組むメリットとデメリット
    2. 30代で住宅ローンを組むメリットとデメリット
    3. 40代で住宅ローンを組むメリットとデメリット

年代別住宅ローンを組む際の注意点

住宅ローンにも商品性があります。若いときに組むメリットもあればデメリットもあります。逆に40代になってから組むメリット、デメリットもあります。

一概にどのタイミングで組むのが一番いいかという答えはありませんが、それぞれの年代で住宅ローンを組んだ際の特徴を理解し、皆さんに合った今後のライフプランを形成していきましょう。

20代で住宅ローンを組むメリットとデメリット

20代で結婚をし、転勤がない仕事であれば毎月の家賃を支払うのがもったいないということでマイホームを購入する方もいると思います。このように20代で住宅ローンを組む場合のメリット、デメリットを説明していきます。

20代で組むメリット

まずはメリットですが20代と若い分、住宅ローンを長期で組むことができる点です。住宅ローンは最長35年で組むことができます。20代後半で35年で住宅ローンを組んだ場合でも、完済時はまだ65歳未満のため定年退職していません。

毎月の返済額を少なくするために長期間で住宅ローンを組み、ゆとりをもって返済するというライフプランを形成することが可能です。早々に完済できれば毎月の住宅ローンの返済がなくなるので生活にかなりの余裕が出てきます。

また、住宅ローンの審査を通るには団体信用生命保険に加入することが必須です。これは生命保険会社の審査になり健康状態がよくないと加入できません。20代であれば健康状態が良い方が多いと思いますので、この団体信用生命保険にも通りやすい点はメリットです。

20代で組むデメリット

ではデメリットはどうでしょうか。1番大きな点としては20代ではまだそこまで自己資金が用意できないということです。住宅購入の諸費用分のみ自己資金であとは住宅ローンで借入するという方も多いと思います。

そして先ほどメリットにもあげた長期間で借入できるという点では、逆に35年にしなければ毎月の返済が苦しいため長期間で組まざるを得ないという方も中にはいると思います。自己資金が少ない、長期間で借りるとなった場合では利息を含めた総返済額は大きくなります。

例えば3,000万円住宅ローンで借入、金利は仮に変動することなく2%で35年間で返済するとした場合では、総返済額は4,174万円となります。1,000万円以上の利息を支払わなければなりません。

また、住宅ローンの審査面では年収がまだそこまで無いという方も多いと思いますので、借入希望額での審査が難しくなるケースも考えられます。その場合には連帯保証人を付けたり、配偶者とペアローンを組む必要がでてきます。

30代で住宅ローンを組むメリットとデメリット

30代になると結婚し、子供もいる家庭が多くなってきます。収入面でも20代に比べて年収もそこそこの金額になり、このタイミングで住宅を購入しようと考える方が一番多くなる年代かと思います。

30代で住宅ローンを組む際のメリット、デメリットはどうなのかを見てみましょう。

30代で組むメリット

30代では審査面でのメリットが大きいかと思います。年収も20代に比べると多くなっているでしょうし、30代であれば健康面の不安もまだそんなに無いと思うので、団体信用生命保険も加入しやすいと思います。

収入に関しても30代であればまだまだこれから上がっていくというところですので、金融機関からしても返済できないリスクは低いと考えられますので審査は通しやすくなります。

また、30代あれば自己資金も20代よりは用意できると思いますので、借入金額を少し減らすことも可能と思います。そうすれば総返済額も減らすことができます。そしてまだ長期で借りることも可能と思います。

これから子供の教育資金などで毎月出費が増えるということであれば、あえて返済期間を長くし、毎月の返済額を少なくするという方法もとれます。

30代で組むデメリット

30代では先ほどメリットにも上げたように、審査が通りやすい要因がそろっています。そのため大きな金額でも借入できる可能性が高いです。そうなれば月々の返済額ももちろん大きくなります。住宅ローンは完済までの期間が長いので、その時は問題無く返済できていても何が起こるかわかりません。

子供の教育資金に思ったよりお金がかかったり、リーマンショックのようことがこの先起こらないとも限りません。ですので大きな金額が借りることができても、今後のライフプランをしっかり考えたうえで借入しなければ、結果的に返済が苦しくなる可能性もあるので注意が必要です。

40代で住宅ローンを組むメリットとデメリット

40代でそろそろマイホームを持つことを考え始める方も多いと思います。20代、30代とは状況が変わっており余裕も出てきていると思います。では40代で住宅ローンを組むメリット、デメリットを見ていきましょう。

40代で組むメリット

収入も多くなっており、自己資金も多く用意できる点は最大のメリットだと思います。先程3,000万円を金利2%、35年返済の例を説明しましたが総返済額は4,000万円以上になると説明しました。ではそこに自己資金500万円を入れ25年返済にした場合ではどうでしょうか?

総返済額が約3,180万円となりますので、支払う金利分が3,000万円を金利2%、35年返済と比べ約500万円も少なくなります。1,000万円程自己資金を用意できるという家庭もあると思いますので、そうなればさらにメリットが大きくなります。これはかなりのメリットだと思います。

40代で組むデメリット

40代になると長期間での借入は難しくなります。自己資金をある程度用意できないと借入希望額の金額を借りることができないということにもなります。ある程度長期で借りれできた場合でも、完済時にはすでに定年退職しており、毎月の返済が今までのように余裕がなくなることも考えられます。

そのような場合は退職金を用いて残額を全額返済することになると思います。また、40代での収入がこの先キープできるとも限りません。一般的に50代から年収は下がっていく傾向にあります。そのため、借入時は返済に問題なくても、徐々に負担が大きくなる可能性もあります。

ですのでライフプランをよく考えて借入を検討するようにしましょう。また、40代になると健康面に不安が出てくることもあるので、団体信用生命保険に加入できない可能性も高くなります。その際は一般の金融機関の住宅ローンは難しいので、フラット35を使いましょう。

このように年代別でメリット、デメリットは変わってきます。それぞれの年代で借入する場合の特徴を理解し、それぞれのライフプランをよく考えて住宅ローンを検討しましょう。