住宅ローン審査の流れ(期間)と必要書類について

この記事では住宅ローンの審査の流れと必要書類についてまとめています。

セールスアドバイザー(営業)がついている場合、どのような書類が必要か細かく覚える必要はありません。それより、事前審査、本審査で金融機関がどういったことを見ているのかを掴んでください。

【目次】住宅ローン審査の流れ(期間)と必要書類について
  1. 住宅ローン審査の流れ
    1. 必要書類を揃えるのに意外に時間がかかる
    2. 事前審査から本審査まで1か月は掛かる
    3. 審査を有利に運ぶための注意点
  2. 審査に必要な書類
    1. 事前審査で必要な書類
    2. 本審査で必要な書類

住宅ローン審査の流れ

住宅ローンの審査は事前審査と本審査(正式審査)で構成されています。

審査期間は事前審査が即日から1週間程度。本審査が1~2週間程度ですから、二つ合わせても3週間で結果が分かる計算です。

ただここで言っている審査期間は、審査に必要な書類が揃った状態で銀行が審査に要する単純時間のことを言っています。

必要書類を揃えるのに意外に時間がかかる

審査を受けるには、窓口審査でもウェブ申し込みでも必要書類を集めなければなりません。本人が記入する時間も当然ながら必要です。

たとえば事前審査なら「住宅ローン事前審査申込書」がありますし、本審査では「ローン保証委託申込書兼契約書」や「団体信用生命保険申込書兼告知書」などです。

さらに言うと本審査では図面も確定していなければいけません。依頼業者が注文住宅の会社の場合は、とりあえず審査のために間取りを確定させることもあります。

本審査は書類を集めるのに市町村区役所に出向き、また法務局にも足を運ばなければなりません。平日動ける方は良いですが、大抵の方は仕事があります。書類を準備するだけでも時間や日にちがどうしても掛かります。

本契約は不動産会社やハウスメーカー等、依頼する(あるいは購入する)業者を決めて審査に入るのが普通です。なぜなら本審査は売買契約書や工事請負契約書が必要だからです。
そのため、業者が決まっていなければ契約金額も決まらないため、一旦審査を止めて、購入先や建築依頼先を決めることに集中しなければなりません。

このように実際に期間を把握するには単純時間を足すばかりではなく、付随する時間も見なければ推し量れないことが分かります。

事前審査から本審査まで1か月は掛かる

よく事前審査が即日、本審査が1週間で結果が出ると言った記事を見かけますが、通常であれば1か月は掛かると見ておいた方が良いでしょうし、逆にそのぐらいで済むのならよく出来たほうです。

また蛇足かもしれませんが、本審査(正式審査)後は金銭消費貸借契約(金融機関とのローン契約)と融資実行(残金決済)があります。これを含めると1か月半、あるいは2か月弱というのが標準的な流れ(時間)ではないでしょうか。

審査を有利に運ぶための注意点

住宅ローンの審査を有利に運ぶための注意点を、国土交通省の調査資料をもとにコメントしていますので参考にしてください。

住宅ローン審査で重視すると思われる項目
審査項目 回答数 構成比 具体的な内容(複数回答可)
完済時年齢 1238 98.80% (1)85歳未満
(2)80歳未満
(3)75歳未満
(4)70歳未満
(5)なし
(6)その他
借入時年齢 1223 97.60% (1)75歳未満
(2)70歳未満
(3)65歳未満
(4)60歳未満
(5)55歳未満
(6)その他
健康状態 1223 97.60% (1)団信加入が必要
(2)団信加入は不要
(3)団信加入は選択可能
勤続年数 1218 97.20% (1)3年以上
(2)2年以上
(3)1年以上
(4)その他
担保評価 1218 97.20% (1)融資に影響
(2)融資に影響せず
(3)融資判断の参考にする
(4)その他
年収 1183 94.40% (1)100万以上
(2)150万以上
(3)200万円以上
(4)250万以上
(5)その他
連帯保証 1171 93.50% (1)系列保証会社の保証が必要
(2)連帯保証不要
(3)保証会社の保証が必要
(4)その他
金融機関の営業エリア 1126 89.90% (1)エリア内に居住
(2)エリア内に勤務
返済負担率 1103 88% (1)50%以内
(2)45%以内
(3)40%以内
(4)35%以内
(5)30%以内
(6)20%以内
(7)その他
融資可能額(1)購入の場合 1019 81.30% (1)80%以内
(2)90%以内
(3)100%以内
(4)110%以内
(5)120%以内
(6)150%以内
(7)その他

※国土交通省「平成28年度民間住宅ローンの実態に関する調査」、31ページの「2.長期・固定金利の住宅ローン等に関する融資審査等」(2)審査項目から構成比80%以上の項目を抜粋しています。
http://www.mlit.go.jp/common/001174891.pdf

以下、気になった項目からコメントをつけています。

借入時年齢と完済時年齢

住宅ローンは、借入時年齢は20歳以上70歳まで、完済時年齢は80歳までというのが通例です。ところが審査内容で多いのは完済時が85歳未満、借入時が75未満ということにいささか驚きます。

高齢化がさらに進めば、審査によって借入時年齢と完済時年齢は緩和に向かうことが考えられます。

返済負担率

過去の同データからは数字上の重要度は下がっていますが、返済負担率は住宅ローンの審査で非常に重視される数字であることは間違いありません。

一般的に知られる返済負担率は、20%~30%ぐらいの数字を使うことが多いのですが、このデータから銀行は比較的高い返済負担率(40%~50%)を使っていることが読み取れます。

金融機関から借入額をもう少し減らせるか、また身内(奥様)を保証人として提供することが可能か打診されることがありますが、その場合は返済負担率に問題があるケースが考えられます。

返済負担率に問題があるケースで意外に多いのが、未使用のカードローンやキャッシング機能がついているクレジットカードを、金融機関のほうで他者ローン残高として計上しているケースです。

こうした未使用のカードローン等は、住宅ローンの審査ではかならず他者ローン残高としてカウントされます。覚えのある方は注意してください。

勤続年数

勤続年数は銀行の住宅ローンでは原則2年から3年以上というのが通例です。ただ、これもどのような場合も2年~3年以上勤務していなければ、審査上不利と言うわけではありません。

住宅ローンは融資した資金を長期間にわたり返済できるかが重要で、審査基準を満たさないから不可とはせず、ほかの要素と総合的に判断を行います。

したがって転職直後であっても内容に問題がなければ、勤続年数については柔軟に対応する金融機関が増えていることを付け加えておきます。

なおフラット35は利用条件に勤続年数をつけていません。だからと言って、フラット35が転職して間もない方をすべて受け入れるわけでもないのです。

少なくとも住宅ローンの審査を受けるのですから、まず経済的にしっかり自立していることが何より求められます。

担保評価

担保評価は年々審査項目のなかで重要度を増しています。冷静に考えてみれば、借り手にとっては大切なマイホームですが、金融機関にとってはたんなる担保物件にすぎません。

昨今では支払いが滞り任意売却に繋がる件数が増えていることもあり、一層重要度を増しているのかもしれませんが、この傾向が強まれば銀行から評価額以上を借りることは一層むずかしくなるでしょう。

担保評価を良くするには、上物(建物)の評価より土地の評価を良くすることです。

極端に言えば、変形した狭小地を選ぶより、6m以上の公道に接道している整形地を選ぶほうが、担保評価は高くなります。マンションで言えば、これから確実に人気が上がるエリアの好立地物件です。

みなさんは、担保評価を考えて住まいづくりはしないでしょうが、将来的に賃貸や売買を考えている方にとっては、担保評価を考えての物件購入は至極当然のことなのです。

健康状態

健康状態は言うまでもありませんが、団体信用生命保険に加入するため、銀行の住宅ローンの本審査で健康状態の告知をします。なお告知義務違反が後から発覚すると、団信が下りなくなることもあります。

フラット35は団信の加入を任意としていますので、銀行の団信生保を健康上の理由で断られた場合はフラット35を申し込む方法も残っています。ただこの場合も、かならず民間の保険で保証をつけておくよう注意が必要です。

審査に必要な書類

審査に必要な書類を事前審査と正式審査に分けてまとめています。それぞれの審査段階で「何を見られているか」も簡単に書き加えています。

事前審査で必要な書類

住宅ローンの審査は通常「事前審査(仮審査)」からスタートします。事前審査で必要になる書類はつぎの4点です。

金融機関で入手する書類
  • 住宅ローン事前審査申込書
申込本人が用意する書類
  • 本人を確認できる書類(運転免許証等)
  • 勤続年数を確認できる書類(健康保険証等)
  • 収入を確認できる書類(源泉徴収票等)

また窓口申し込みの場合は、「物件に関する資料」、「契約書・ローン残高がわかる書類(他に借り入れがある場合)」を求められる場合もあります。

事前審査では何が見られるか

事前審査は正式な業者決定までは必要ではありませんが、契約金額や借入希望金額、返済期間のほか、物件所在地、床面積や構造といった物件に関する情報も記入(入力)します。そのため申し込みにあたっては、特定の業者と仮契約段階まで進んでいることが望ましいと言えます。

事前審査で見られることは、本事案に対する十分な返済能力があるかと言う点です。そのため事前審査では必要年収や信用情報の確認を行います。

もし信用情報に問題があれば、残念ながらこの段階で否決となります。否決理由は一般的に銀行から聞き出せませんが、多くの場合、事前審査で否決となる理由に信用情報に問題があったと推測されます。この場合は信用情報がきれいになるまで待たなくてはなりません。

本審査で必要な書類

本審査(正式審査)は不動産業者と売買契約を締結した後、また建築業者(ハウスメーカー)と正式に設計委託契約や工事請負契約を締結した後、金融機関に申し込むもので、通常は事前審査を行なった銀行が本審査も行います。

本審査(正式審査)は必要になる書類数がかなり多くなりますから、二度手間にならぬよう注意したいものです。

申込関連書類
  • ○○銀行ローン保証委託申込書兼契約書
  • 団体信用生命保険申込書兼告知書
本人確認書類
  • 本人を確認できる書類(運転免許証等)
  • 住民票
  • 印鑑証明書
所得証明書類
  • 源泉徴収票等
  • 住民税決定通知書
  • 課税証明書
  • 確定申告書(自営業・会社経営者の方は3期分)
  • 決算書(会社経営者の方は3期分)
建物物件に関する書類
  • 売買契約書。または工事請負契約書
  • 重要事項説明書
  • 物件概要書(不動産会社)
  • 建築確認済書(ハウスメーカー、工務店などの建築会社)
  • 公図、測量図、物件案内地図、配置図等
  • 土地・建物の登記簿謄本
  • 平面図、立面図他

本審査では何が見られるか

本審査でも申込本人の返済力に問題がないか、本店や保証会社で再度チェックされますが、事前審査とは違い本審査に入ると物件の担保評価や、本人の健康状態も精査されます。
必要書類に設計図書(図面)が含まれているのは、担保評価の審査を行うためです。

なお健康状態(団信)の審査に問題が見つかった場合、医師の診断書を再提出することで認可される場合があります。

何れにしても担保評価や本人の健康状態も見ると言うことは、万一本人が何らかの理由で返済不能状態に陥ること(マイナスの状態)を想定し、うまくカバーできるかを見ています。

そのため事案によっては審査にかなり時間が掛かることを、あらかじめ覚えておきましょう。

住宅ローン審査とマイナンバーカード

住宅ローン審査に、必要書類としてマイナンバーカードがいつから導入になるのかが気になるでしょう。しかし大方の見方では、住宅ローン審査への本格的な活用はもう少し先になるようです。

銀行業界では2017年4月下旬から、三菱UFJ銀行がいち早く署名や実印の代わりにマイナンバーカードの導入を報じました。ところが他銀行の動向は未定といった状況が続いています。

金融機関がマイナンバーを活用する際、重要なことはカードに保存されている電子証明書ツールを活用することです。

三菱UFJ銀行の場合は、契約手続き前に銀行からカードリーダーが配布されますが、仕組みに間違いがあってはいけませんので各行とも慎重に進めていることは間違いありません。

なお三菱UFJ銀行は三菱地所レジデンス、東急リバブルといった不動産会社との連携を図っているため、これらの不動産会社を介さず直接三菱UFJ銀行のホームページから住宅ローンを申し込むケースも増えているようです。

電子化の仕組みが発達することで、店舗型の都市銀大手は窓口の縮小もより進めやすくなるでしょう。

以上、住宅ローンの審査の流れについてまとめてみました。なお必要書類のところで、マイナンバーカードの活用はまだ先としましたが、来年(2018年)はマイナンバーカードと通帳の紐付けが始まる年でもあり、住宅ローンの審査にも活用の兆しがないわけではありません。

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