※この記事の内容は平成27年11月現在の情報です。
住宅ローンを申し込む際はそれぞれのメリットやデメリットを理解しておくと、自分にとって最適な住宅ローンプランを見つけやすくなります。そこで、今回は東京スター銀行の住宅ローンを解説します。
東京スター銀行の住宅ローンは、預金連動型と呼ばれるユニークな仕組みを採用しています。少し複雑なシステムですが、きちんと理解して活用すれば大きなメリットが得られます。
審査に関する情報や実際に利用した人の口コミも調べてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
東京スター銀行について
東京スター銀行は、東京相和銀行を前身として2001年に設立されました。日本初の24時間稼働ATMの設置やテレフォンバンキングなど、東京相和銀行が築いた先進的なシステムを継承して業務内容を拡充していきました。
しかし、相次ぐ経営危機を受けて2007年には海外ファンド傘下へ編入され、その後2013年に台湾大手の中国信託商業銀行に買収されています。
住宅ローンでは日本で初めて預金連動型を取り入れました。2014年に一度は新規募集を停止したものの、2016年から預金連動型住宅ローンを再開しています。このように東京スター銀行は独自性が強い住宅ローンを取り扱っており、資産運用に強いイメージを持つ銀行です。
住宅ローンの特徴
東京スター銀行の住宅ローンは、預金連動型となっており独自のメリットがあります。金利面で大きな恩恵があるため、資産運用の一環としても活用できます。
そこで、東京スター銀行の住宅ローンの特徴をまとめてみました。
- 借り入れ額に左右されない定額制の融資事務手数料
- 預金連動型住宅ローンで金利が優遇される
- 住宅ローン控除を活かして減税の恩恵が受けられる
- メンテナンスパックで各種保障が付加できる
- ネットと店頭の両方で相談できる
- 返済休暇の活用で元本の返済をストップできる
借り入れ額に左右されない定額制の融資事務手数料
東京スター銀行の住宅ローンは、融資事務手数料が108,000円の定額制になっています。ネット銀行など金利が低いところは、融資事務手数料が借り入れ額の2.16%などに設定されていることが多く、手数料負担が大きくなることがネックです。その点では、東京スター銀行の住宅ローンの安い手数料設定は大きなメリットと言えるでしょう。
定額制の融資事務手数料を採用している他の銀行と比べても、東京スター銀行はかなり安い水準です。そのため、手数料の負担を減らして住宅ローンを組みたい人に向いています。
預金連動型住宅ローンで金利が優遇される
東京スター銀行の住宅ローンは、預金連動型と呼ばれる独特のシステムを取り入れています。少し複雑に感じるかもしれませんが、基本的な仕組みを理解してしまえばメリットを活かすことができるでしょう。
まず、預金連動型の最大の特徴は、東京スター銀行に預け入れている預金額に応じて、住宅ローンの金利が0%になることです。例えば、普通預金に300万円預けていれば、住宅ローン残高のうち300万円分が無利息になります。
この預金連動は、住宅ローン残高の70%までが対象です。つまり、預金額を住宅ローン残高の70%に保っていれば、金利負担を1/3まで圧縮できます。
預金連動の対象となるのは、「スターワン円普通預金」、「スターワン積立円定期」、「スターワン外貨普通預金」、「オフセット定期預金」の4つです。複数の口座に預金がある場合は、上記の並びを優先順位として、最も預金額が大きい口座で預金連動が適用されます。
預金があるのにローンを組むというのは矛盾している感覚かもしれませんが、金利を軽減できる措置があるため有効な手法です。
住宅ローン控除を活かして減税の恩恵が受けられる
東京スター銀行の預金連動型住宅ローンは、金利面の優遇だけがメリットではありません。もうひとつのメリットとして挙げられるのが、住宅ローン控除による減税の恩恵を最大限に活かせることです。
住宅ローン控除とは、最大10年間住宅ローン残高の1%が所得税から控除される制度です。年間の最大控除額は40万円になっていますので、10年間の控除額合計は400万円になります。さらに、住民税にも一部控除が認められていますので、住宅ローン残高の1%が40万円を超える際でも無駄なく控除恩恵が受けられます。
この住宅ローン控除を有効に活用できるのが、東京スター銀行の預金連動型住宅ローンです。住宅ローン残高を圧縮できる預金があったとしても、あえて住宅ローンの残高を緩やかに返済することで、住宅ローン控除額を10年間最大値近辺に保つことができるのです。
つまり、預金連動型住宅ローンで金利優遇を受けながら、住宅ローン控除を活用することで実質的なマイナス金利を実現できます。資産運用の一環としても有効なので、控除額を見据えつつ住宅ローンを組んでみましょう。
メンテナンスパックで各種保障が付加できる
東京スター銀行の住宅ローンを契約する際には、メンテナンスパックと呼ばれるサービスパックへの加入が必須です。メンテナンスパックは全部で3種類あり、それぞれサービス内容が異なります。
まず、共通しているサービスは「返済休暇の利用」「固定金利の選択」「一部繰り上げ返済」の3点です。いずれも手数料無料で利用することができます。
メンテナンスパックの主な違いは、付帯している保障内容と上乗せされる金利です。最も充実した保障内容のメンテナンスパック2では、入院保険・団信・がん団信が付帯する代わりに金利が0.702%上乗せされます。
次に保障内容が多いメンテナンスパック1では入院保険・団信が付帯していて上乗せされる金利は0.504%です。対して、メンテナンスパック3では全ての保障が省かれている代わりに、上乗せされる金利は0.3%に抑えられています。
どのメンテナンスパックを選ぶかは自由ですが、保障内容を手厚くしたいのであればメンテナンスパック1か2を選択する方が良いでしょう。
ネットと店頭の両方で相談できる
東京スター銀行では、ネットと店頭の両方で相談を受け付けています。店舗型銀行の強みを活かしながら、ネットによる柔軟な相談体制を備えていることが特徴です。
まず、店頭の個別相談は予約制になっているため、事前にネットか電話で予約しておきましょう。ネットからなら希望する支店や日時をクリックするだけなので、簡単に相談を申し込めます。相談予約は2~42日後まで受け付けているため、普段忙しい人でもスケジュールが立てやすくなっています。
次にネット相談は問い合わせフォームの他に、チャット相談もあります。ワンクリックでチャットが立ちあがり、オペレーターに様々な質問ができます。受付時間が平日10~18時、土日10~16時と短めですが、ネットから気軽に相談できて便利です。
東京スター銀行の住宅ローンはやや複雑なシステムになっていますので、分からないことや不安に感じる点ががあれば、まずはネットや店頭で相談してみましょう。
返済休暇の活用で元本の返済をストップできる
東京スター銀行の住宅ローンには、返済休暇と呼ばれるサービスが付いています。これはメンテナンスパックに含まれており、返済開始2年目から利用できるようになります。
返済休暇は、最長36ヶ月間まで元本の返済額を1円まで減額できます。ただし、メンテナンスパック利用料と利息分は返済しなくてはなりません。
また、返済休暇を利用すると、その分完済までの期間が延びてしまいます。そのため、積極的に利用するべきサービスではありませんが、様々な事情で住宅ローンの返済が厳しい場合は検討してみると良いでしょう。
住宅ローンの審査について
住宅ローンは銀行によって審査基準が異なります。スムーズに審査を通過するためにも、銀行ごとの審査基準の違いを把握しておきましょう。良いでしょう。
そこで、東京スター銀行の住宅ローンの利用条件は以下のようになっています。
- 満20歳以上~65歳以下、完済時年齢75歳以下
- 正社員として1年以上、会社役員・自営業として2年以上の安定した収入があること
- 日本国籍もしくは永住権を持っている
東京スター銀行の住宅ローンに申し込むための条件は上記のとおりです。
特徴としては、他の銀行のように団信加入が必須になっていないことが挙げられます。この理由は、東京スター銀行の住宅ローンは団信非加入のプランがあるためです。
ただし、団信に加入せず住宅ローンを借り入れても、メンテナンスパック料として0.3%の金利上乗せがあるので、団信に加入しないことで大きな金利差が得られるわけではありません。
また、正社員として1年以上の勤務実績が必要なので、契約社員や派遣社員の人は審査の通過が難しい住宅ローンです。この他にも、収入額などでも審査を行っている可能性がありますので、もし不明点があれば申し込みの前に相談してみましょう。
東京スター銀行の住宅ローンの審査期間はどれくらい?
住宅ローンは審査が2段階に分かれているのが一般的で、契約までのトータルでは1ヶ月前後の期間が必要です。東京スター銀行の住宅ローンも仮審査と本審査に分かれていますので、どのような流れで審査が進んでいくのか確認しておきましょう。
そこで、東京スター銀行の住宅ローンの審査期間については以下のとおりです。
- 事前審査(仮審査)の結果まで:1週間程度
- 本審査の結果まで:2週間程度
東京スター銀行の住宅ローンは、仮審査が店頭の個別相談会の際に行われます。そのため、個別相談会でおよその契約内容を決定して、そのまま仮審査へ申し込むことになります。その後は、本審査に必要な書類審査を経て、問題が無ければ契約に進みます。
店舗型の銀行なので足を運ぶ必要はありますが、契約までの平均期間は1ヶ月程度でそれほど長くはありません。個別相談会では本審査に向けた必要事項も説明してくれますので、疑問点があればその場で解消しておきましょう。
審査申し込み時に必要な書類は?
住宅ローンの審査には様々な書類が必要になります。銀行ごとに必要書類が異なる場合もありますので、どのような書類を用意しておくべきか把握しておきましょう。
そこで、東京スター銀行の住宅ローン審査に必要な書類をまとめてみました。
本人確認資料
運転免許証、パスポートなど
収入に関する資料
源泉徴収票、確定申告書、法人決算書、法人確定申告書
物件および資金使途に関する資料
売買契約書、重要事項説明書、建築確認済証、建築確認申請書の1~5面、間取り・価格がわかる資料)
その他の資料
現在借り入れているローンの返済予定表
本人確認資料の現住所と記載住所が異なる場合は、健康保険証やキャッシュカードなど追加の書類が必要です。
また、他に借り入れているローンがある場合は、連帯保証人の資料も必須となるので用意しておきましょう。
おすすめな人と注意点
東京スター銀行の住宅ローンがどのような人におすすめなのか解説します。独特な特徴を活かすためにも、自分に向いているかどうかチェックしてみてください。
また、東京スター銀行の住宅ローンに関する注意点もまとめてみました。実際に借り入れを申し込む前に、注意点について把握しておきましょう。
東京スター銀行がおすすめな人
下記の項目に当てはまる人は、東京スター銀行の住宅ローンが向いています。
まずは、自分の希望する条件と照らし合わせてみましょう。
- マイナス金利を実現して住宅ローンを組みたい人
- 融資事務手数料を安く抑えたい人
- 資産活用の一環として住宅ローンを借り入れたい人
- 住宅ローン減税の恩恵を受けたい人
- 対面相談しながら住宅ローンを利用したい人
東京スター銀行の住宅ローンの注意点
東京スター銀行の住宅ローンには、いくつか注意点があります。そこで、実際に申し込む前に把握しておきたい注意点をまとめてみました。
東京スター銀行の住宅ローンの注意点として挙げられるのは、仕組みが理解しにくいことです。預金連動型という独自のシステムになっており、きちんと特色を把握して住宅ローンを組まないとメリットを活かしきれません。
特に住宅ローン控除と減税の仕組みは、ある程度の知識が求められます。預金連動型の仕組みを理解しつつ、住宅ローン控除を有効に活用するためには将来を見据えたプランニングも必須です。そのため、初めて住宅ローンを借り入れる人や資産運用の経験が乏しい人にとっては、やや敷居が高い住宅ローンに感じられるでしょう。
また、預金連動による金利優遇を前提としているため、他の銀行と比べると金利が高めです。さらにメンテナンスパックによる金利上乗せも生じますので、預金額が少ない人にとっては恩恵の小さな住宅ローンになってしまいます。
このように、東京スター銀行の住宅ローンは十分な資産があり、仕組みを理解している人向きです。もし、預金連動型のシステムを把握することが難しいようなら、申し込み前にしっかりと相談しておきましょう。
東京スター銀行の住宅ローンの評判と口コミ
東京スター銀行の住宅ローンを実際に利用した人の口コミを集めてみました。これから銀行選びをするのであれば、口コミの意見を参考にしてみましょう。
良い評価の口コミ
●預金連動を上手く使えば、実質的にマイナス金利になって美味しい住宅ローン。不景気のご時世だし、使えるものは何でも使ってみるべきだと思う。
●融資事務手数料が安いのが最大の魅力です。住宅ローンで大金を借りるのですから、なるべく無駄な出費は抑えたいですしね。
●お店で相談しながら仮審査できるのは安心感があります。最近はネット銀行が増えていて店舗型の銀行は下火気味ですが、やっぱり住宅ローンは店頭で相談したいと思います。
中立的な口コミ
●チャット相談は画期的だと思う。電話よりも相談しやすいイメージがあるし。ただ、受け時間が短いのがネックかな。
●メンテナンスパックでそれなりの保障は受けられますが、他の銀行と比べると少し物足りなさがあります。金利も上乗せされますし、もう少し特典が欲しいと思いました。
●分かる人には得で分からない人には縁がないローン。せめてもう少しホームページやパンフレットが分かりやすかったら違う印象だったと思う。
低評価の口コミ
●とにかく仕組みがややこしい。預金連動型と言われても一般人にはメリットが伝わりにくいし。預金するお金があるくらいなら家を買う頭金にしたらダメなの?と思ってしまう。
●保障を付けるほど金利がどんどん高くなってしまうのはイメージが悪いです。基本の金利もそれほど低くありませんし、預金がない人にとっては全くメリットが無い銀行です。
●団信すら付かないプランがあることに驚き。いざという時にどうするんだと思う。長い期間借金するんだから、最低限の備えくらいは付けておいて欲しい。
住宅ローンのおすすめの銀行
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