当初固定金利のメリット・デメリット、おすすめの人

当初固定金利の住宅ローンのメリット・デメリット、おすすめの人

最近では、半年型とされる変動金利よりも、当初固定金利が注目されつつあります。

とは言っても、実際に選ぶにあたっては注意したいポイントや前もって知っておくと良い情報などもあることでしょう。こちらの記事では当初固定金利について、おさえておきたい基本について解説していきます。

当初固定金利とは

当初固定金利とは「一定期間固定金利」とも言われています。借り入れ当初から一定期間のみ、金利が固定される特約つきの住宅ローンです。

まずは、当初固定金利がどんなものなのかを確認していきましょう。

当初固定金利の仕組みについて

固定という名前ではあるものの、大まかに言えば変動金利に特約が付いたものと考えると良いかもしれません。

なお、固定金利の期間は2年・3年・5年・7年・10年・15年などとさまざまです。「当初10年固定金利」などのように表記されるのが一般的なので、見たことがある方もいることでしょう。

固定となる期間が短ければ短いほどに金利が低く設定されることが一般的で、固定金利期間が終了した後は変動金利に切り替わります。また、住宅ローンを契約する金融機関しだいでは、固定金利として期間を再び選ぶこともできます。

当初固定金利は当初期間の固定金利が低めであることから、利用者からの人気があります。しかし、注意点として挙げられるのは、当初期間が終了した後は金利の優遇幅が小さくなる場合があることです。

当初固定金利であらかじめ知っておくべきポイント

借り入れ時から一定期間の固定金利期間は金利変動にともなうリスクも少なく、金利は低い状態となります。毎月の返済による負担は少なめではありますが、問題は固定金利期間が終了した後のことです。金利が大きく上昇したとしても、変動金利のような返済額の上限が一定となる措置は当初固定金利にはありません。

予想をはるかに上回る返済額になる場合もあるでしょう。そのことによって家計が一転、負担増から苦しい生活を余儀なくされる場合もあるのです。

その他に知っておきたいのは、固定金利が終了した後の金利の優遇幅がどれだけあるかということです。キャンペーンなどで、当初一定期間の金利だけを低くしている住宅ローンもあります。当初より優遇幅が小さくなってしまえば、たとえ世の中の金利そのものが上がっていなくとも適用金利は上がることになります。

これらの当初固定金利の仕組みそのものを知っておくこと。固定金利期間が終わるころにどうなっているのか?など、自分自身のライフプランをしっかり把握しつつ、これから先をイメージする力も必要になります。

当初固定金利のメリット

最大のメリットとなるのは、借り入れ当初から一定の期間内に住宅ローンの金利を固定できることでしょう。固定期間内においては金利変動のリスクがないので、金利の上昇であったり返済額の増加を気にしたりすることもありません。

仮に10年固定であれば、毎月予定通りに返済を行い、余裕があれば繰り上げ返済を行って住宅ローンの総返済額を減らすこともできます。

また、金融機関の多くでは、10年固定を主力商品としている場合が多いです。他の金利などと比較してみると、割安さを感じる金利水準にて借り入れすることができる場合もあります。検討する金融機関はどうなのかをリサーチして上手に借り入れることができれば、住宅ローンの総返済額をおさえることもできるでしょう。

当初固定金利のデメリット

当初固定金利には特殊な部分があることから、メリットだけでなくデメリットの部分にも注意しなくてはなりません。

たとえば10年固定で金利を選択した場合、10年が経過したあとに金利がグンと上昇していたとします。その状態の中で、変動金利や固定金利からの選択をしなくてはいけないのです。

また、当初期間が終了した後のことについて、住宅ローン契約の際に各金融機関の担当側からは説明がないと思っていいでしょう。そのため、返済額が上がったことで初めて気付く場合もあるほどです。

これからの先の金利推移についてですが、何となくのイメージはできたとしてもそのとおりならない場合もあります。情勢しだいでは金利の変動も大きく、結果としてしわ寄せを受けてしまう可能性もあることを覚えておかないといけません。

当初固定金利を選ぶのに適しているのはこんな場合

メリットとデメリットのそれぞれがある当初固定金利ですが、どんな場合であれば選択に適していると言えるのでしょうか。

固定金利期間が終わった後に収入が増える可能性がある場合

固定金利期間が終わった後に収入が増える可能性があるのでしたら、金利が上昇することもリスクとして受け入れて良いのかもしれません。

育児中で専業主婦の妻が働きに出る、産休・育休中の妻が職場復帰をする予定があることによって、決まった給料をもらえる場合。今後、売り上げがのびることが期待できる自営業者の方など。

その他にも子どもが大学を卒業するなどで、それまでにかかっていた教育費が落ち着く、自動車や教育ローンなどが終わることから毎月の支出がおさえられる場合など。

家計の余裕ができることが確実に分かっている場合は、当初固定金利を前向きに選択しても良いでしょう。

固定期間終了までに借り入れの残高を少なくできる場合

もう1つ挙げられるのが、固定期間終了までに借り入れの残高を確実に少なくできる場合です。なぜかと言うと、借り入れの残高が少ないことによって、金利上昇の影響を受けにくくなるからです。

仮に金利が上昇していた場合であっても、借り入れの残高さえ減らしておけば毎月の返済額が増えて家計を圧迫させることを避けられます。

固定期間内のうちに、毎月の支払い以外で貯金がしっかりとできていたり、定期預金や保険などの満期予定がある場合など。少しまとまったお金が用意できることによって、繰り上げ返済を行っていける方であれば返済の負担も減ります。その結果として、当初固定金利が適していると言えるでしょう。

こうして振り返ってみると、当初固定金利を選ぶのに適している人とは、固定金利期間が終わった後の対策がとれる人とも言えるでしょう。収入が増える、または貯金をすることで備えておくなどの対策がとれない場合は、全期間固定金利などを選ぶ方が得策かもしれません。

まとめ

今回の記事の中では、さまざまな金利がある中でも当初固定金利について解説しました。当初固定金利は、変動金利と同じく金利が低いメリットが挙げられます。しかし、全期間固定金利のような安定した返済が期待できない、先が見えないなどのデメリットもある金利です。

住宅ローンの金利選びについては、「自己判断がゆえの結果」になってしまう部分です。また、一度契約をしてしまうと、その後の変更は困難となってしまいます。そこで、住宅ローンを検討する際には多くの情報を収集して、当初固定金利も含めたどの金利タイプが自分の理想に近いのか?ということを考えてみると良いでしょう。

まずは一定期間の金利推移などにも目を向けるなどして、準備をはじめてみてください。